2024.11.01 |
2014.11.01 七戸駅跡
NikonD800 smcPENTAX90oF2.8 ISO200 |
11月上旬に毎年行われる南部縦貫鉄道の夕暮れ撮影会。この年は人気のレールバスに加えて国鉄キハ10の譲渡車キハ104が復活したとのことで、茨交のキハ11にギリギリ間に合わなかった世代としては期待に胸を膨らませて東北新幹線に乗り込んだ。ちょっと前まで青森と言えば気合いの終夜運転でブルトレを狙いに行く所だったが、今日はのんびり列車で朝出発。微睡む間に着いてしまうなのだから何と優雅なのだろう。路線バスで旧七戸駅に着いたのは昼過ぎだった。
生憎の小雨模様ではあるが、メインは日没時間帯からのバルブ撮影。現地で久しぶりに再会した鉄ちゃん諸氏と最近の撮影報告をしながら暗くなるのを待つ。と、庫の中で今回蘇ったキハ104のエンジンを始動させるとのこと。薄暗い庫内に入ると、笠をかぶった裸電球の薄明りに照らされて、DMHの鼓動も高らかに一灯ライトの国鉄型気動車が佇んでいた。立ち上る排気煙に前照灯の光芒が滲む。あぁ、これが「じゅうかん」のキハ10か…。外装に痛みは目立つが、憧れながらも実物を目にできなかった車両の生きている姿を目の当たりにして、忘れ物を一つ取り戻した気がした。 5年後に再びこのイベントに参加した頃には、キハ104は日中の構内運転で自走する姿を披露するようになっていた。カラカラと響くアイドリング音、キハ20のようでいてもう一歩垢抜けない顔とバス窓が特徴的なサイドビュー、そして国鉄色も悪くないが地方私鉄らしい白帯がワンポイント配された塗色。今年は撮影会には行けないけれど、いつかこの名車も夕暮れバルブでじっくり向き合ってみたいものである。 |