2025.04.06 |
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2004.04.06 諸寄−浜坂 PENTAX67 smcPENTAX165oF2.8 RVP(+1)
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もう20年以上、この時期になると桜と鉄道の織り成す情景を求めて全国を旅してきた。この年は四国の箸蔵の桜並木とキハ58・65の快速「サンポート」を狙いに土讃線を訪れ、翌日は山陰本線に転戦して餘部鉄橋の「出雲」と橋の袂の桜、そして大岩の駅で線路沿いの桜並木とタラコキハを撮った。午後は、ずいぶん昔の●ヤ情誌「四季を走る鉄道」で見かけた諸寄の俯瞰へ。ガイドを頼りに城山公園に車を走らせ、展望台に三脚を立てた。
日中は春霞で靄っていた眼下の景色も、夕方順光になると視界が開けてきた。ホームの桜は見事に満開。165oのヨコ位置で広めに構えても、小さいながらピンクの花弁はよく映えた。現在のようにバイパスもできる前で手前の集落も落ち着いており、線路も障害物が少なくよく見渡せた。遠方から大きなS字を描いてホームに滑り込んだ列車は、小休止の後ゆっくりと発車。春の海辺の夕景を独り占めして、贅沢にシャッターを切った。 この後、明石のレンタ屋に閉店間際の駆け込みで車を返したが、すでに東京に帰る列車はなく、バスターミナルの片隅でひっそり寝袋に包まったのも懐かしい思い出。現在であれば不審者として通報されてしまうところだろう。あれから20年以上、今や無人駅でのマルヨもやりづらいようだし、バックパッカー的な旅も難しくなった。息苦しい世の中になったものである。そんな令和も7年目の今日、山陰西部を引退間際の大サロが走行したらしい。SNS上には折居の夕日パークからの画像が溢れているが、若い日にさんざん贅沢な被写体を楽しませてもらった「おじさん」は平和に近所の買い物運用で休日を過ごしてしまったのだった。 |
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