2025.06.16 |
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2004.06.16 小砂川−上浜
NikonF4s AFNikkor300oF4ED RVP100 |
当たり前のもののありがたみというのは、得てして残りわずかになってから気が付くものである。青春18きっぷで全国を旅するようになった1990年代、103系や115系、キハ58などは全国どこにでもいて、これらが無くなる日が来るなど想像もつかなかった。口の悪い友人などは、当時暗黒時代だったタイガースと千葉移転直後相変わらず万年Bクラスだったマリーンズを嘲笑しながら、「阪神対ロッテの日本シリーズと103系の全廃はどっちが先だろうな」などと悪態をついていたものである。まぁ、事実は冗談よりも奇なり?というやつか、2005年、奇しくも千葉マリンの地元京葉線から103系が姿を消す1ヵ月前に両者の日本シリーズが実現、マリーンズが4連勝で日本一になったのであったが(笑)。
さて、カマの世界でちょっと前までありふれた存在だったのがEF81だった。ブルトレを撮るのでもパイチはプライオリティがやや低く、「北陸」を撮るなら下りの北陸線内よりも上りの神保原がメイン、「北斗星」も専ら道内のDD牽引がターゲットで、東北本線内の星ガマ先頭の姿は何かのついでで撮ることがほとんどだった。いわんや貨物をや…である。今走るならヤングな“撮り鉄”を中心に激パ必至となるであろうEF81牽引の貨物など、一昔前ならわざわざそれを目的に出掛けるほどの被写体ではなかった。 とはいえ、前走りで来れば思わず真面目に撮ってしまうのが国鉄型の魅力というヤツである。この日は盛岡キハ詣での帰りに羽越のブルトレに寄り道。メインはこの時期ならではのコサカミS字を行く「あけぼの」と「日本海」。出来立てホヤホヤのステンレス製防風柵に幻滅しながらも300oタテ構図で日の出直後の「あけぼの」を仕留めると、続行で赤パイチの貨物が下って来る。ありふれた交直流期とはいえ、気合の置きピン1発切りでその勇姿を切り取った。撮った時は特に感慨はなくとも、時が経つと記録しておいて良かったと思うようになる。珍しいから…ではなく、自分にとって魅力的だからという理由でシャッターを押しておくことの大切さを、被写体が枯渇しきった今日になってあらためて痛感している。 |
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