Memorial GALLERY


 2025.02.14

2008.02.14 渋沢−新松田 NikonF5 AFNikkor80-200oF2.8 RVP100

今から17〜18年前、それまでHiSEに合わせた何とも不格好な塗装に落ちぶれていたLSEが久々にオリジナルカラーに戻ったということで折に触れて沿線に繰り出すようになった。小田急ロマンスカーといえば、幼少の頃から関東の鉄道少年にとっては憧れの的。東武にDRC、西武にレッドアローあれど、やはり展望室付きの連接車体は何とも特別な空気を醸し出していた。小学生の頃に従弟の家族と江ノ島に海水浴に行ったときに乗ったNSEの「さがみ」は、当時夏休み一番の思い出になったものだった。

この日は、NSE引退時のRM誌を参考に出掛けて朝から酒匂川の鉄橋で富士山をバックに送り込み回送を撮り、返しを秦野の上智短大脇の陸橋でお見送り。さらに2往復目の下りを狙うため渋沢の築堤にやって来た。新宿から終始街中を走ってきた小田急線は、本厚木を過ぎてようやく山間部に差し掛かる。小田原市街に続く酒匂川沿いの平野に出るまでの隘路が編成写真の定番スポットだった。とはいえ築堤のすぐ背後には道路が通り、家並みを列車でギリギリ隠すという意外に難易度の高い場所。珍しくご機嫌の大山の尖がりピークを配し、気合を入れて「さがみ63号」を迎え撃った。

国鉄型の淘汰が進んで被写体が枯渇しているのは諸兄には周知の通りだが、私鉄の世界も往年の名車が次々鬼籍に入ってしまった。ロマンスカーはLSEはもちろんHiSEや果てはVSEまですでに引退。レッドアローも、我らの知る5000系はおろか次の世代の10000系“ニューレッドアロー”までもがほぼ姿を消した。そんな中、東武のスペーシアだけはまだまだ健在。先代DRCが何とも食えないデザインだっただけに、登場時にその流麗なフォルムが非常に魅力的だったのを覚えている。新型“スペーシアX”がデビューしたこともあり、関東私鉄最後の雄として最近注目しているところである。



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