2025.01.31 |
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2016.01.31 祖母島−小野上
NikonF5 AF-INikkor500oF4ED RVP100 |
10年ほど前まで、この時期になると休みの度に吾妻線のカッターに出撃していた。クモヤ145という無骨な事業用車が、上州の凛と張り詰めた朝の空気の中を、日の出直後の低い光線に照らされて走ってくる姿は何ともカッコよかった。一応不定期ということになってはいたが、基本的にはほぼ毎日運転があり、気になる天気も冬場は安定した晴天が続く北関東だけに毎度すっきりド快晴。冬期の朝練としてこれ以上のターゲットはなかった。
この日も4時前に家を出て関越を北上。日の出前におのこトンネル飛び出しのストレートに三脚を立てた。正月明けの休みに訪れた時にも同じポジションに陣取ったものの、F5の連写がいつの間にか低速の設定になっており、D800でしか記録できていなかった。今となってはそれで充分ではあるけれど、ポジに価値を置いていた当時としては再履修案件である。というわけで、今日こそ各種設定を入念に確認し、ゴーヨンを付けたF5をセットして本命を待った。 この場所の怖い所は、列車が現れる直前にようやく線路に陽が回ること。わかってはいるがドキドキしてしまう。この日も強気の1/500sec f4.5で勝負。間もなくトンネル内に2灯のライトが光った! が、顔を出したのはオレンジに緑の湘南色…。わけもわからぬままにとりあえずシャッターを切る。近くの鉄ちゃんに尋ねると、今日はクモヤが故障して115系が代走したのだという。とんだ肩透かしを食らって、しばし呆然自失で天を仰いだ。しかし、今になって考えると、普段あり得ないベタエロ光線で115系の長編成なんてありがたいことこの上ない。少しでも琴線に触れる被写体なら積極的にシャッターを切っておくことが大切だと、あらためて思った次第である。 |
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