2025.02.18 |
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2022.02.18 磐城石井−磐城塙 NikonD850 AFNikkor180oF2.8ED ISO200
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この日は、2019年の水害以来長らく不通となっていた水郡線の復旧1周年を記念した列車の試運転があると聞いていた。編成はDE10に12系という一昔前のローカル客レを思わせる渋い編成。本番と違ってマーク無しという好条件にもそそられる。天気予報を確認し、早朝から沿線に乗り込んだ。列車は前日に水戸から郡山に下り、当日は午前中に郡山から東進して常陸大子で長時間停車。午後に水戸まで抜けるという設定だった。
水郡線は首都圏からほど近く、イベント列車の他に工臨の運転もあることから、それなりに有名なポイントも幾つかある。本命は上小川の第4久慈川橋梁俯瞰と決めていたので場所取りだけ施して、まずは北へ向かう。だが、大子以南に比べて以北は中途半端に線路沿いに家並みが続き、これといった撮影地がないのが悩みだった。幾つか目ぼしい場所にアタリを付けながら、ダメ元で枝垂桜の有名スポット、磐城石井までやって来た。当然桜は時期外れ。だが、近くの崖の突端からカーブの見下ろしは行けそうだった。冬枯れの中、とりたてて絡めるべき風景もないのでここで列車主体に1発仕留めよう。構図にバリエーションはないが、180oと200oで2台切りの体制を敷いた。 強風とちぎれ雲に怯えながら待つこと1時間余り、シンプルないでたちのDL客レが、マンダラ影に追い立てられながらファインダーに現れる。粘れ、粘ってくれ! という願いが届いたのか、軽いホイッスルとともにギリギリ晴れ間のうちに列車が通過。薄氷を踏むような1枚を押さえて午後の部に転戦した。だが、そんなにオイシイことばかり続かないのが鉄の常。朝から場所取りしていた俯瞰ポイントは、列車通過の直前に巨大雲の悪戯にしてやられ、久々に腸が煮えくり返るような来る曇るに沈んだのであった。このリベンジは1ヵ月余り後の本運転まで持ち越すことになる。 |
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