2025.06.01 |
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2021.06.01 須原−倉本
NikonD850 AF-SNikkor70-200oF2.8E FL ISO200 |
去年、今年と初夏の陽気がおかしい。例年であれば薫風そよぐ中、水を張った田んぼに揺れる苗を眺め、週毎に少しずつ濃くなる新緑を愛でつつ早朝・夕方の斜光線に心躍らせる季節であるはずなのに、連休が明けて以降サッパリ日差しも望めない空模様が続いている。たまに込み入った話をする天気予報では「偏西風が蛇行して寒冷渦が…」などと説明しているが、それでも偏西風蛇行の原因は何なのか?という疑問に答える解説は全くなし。どうせ北極振動がどうの…と言い出すのが関の山で、さらにその原因まで立ち入った話はついぞ聞いたことがない。まぁ、聞いたところで天気が良くなるわけではないのだが、空と同様心のモヤモヤも晴れないのである。
ちょっと前まで、6月1日は梅雨入り前の快晴に恵まれる一種の特異日だった。過去何度もこの日にはオイシイ1枚を頂戴している。4年前も、カラッとした晴れに誘われて、山深い木曽谷に夕方遅くまで陽が射し込むだろうと中央西線に出掛けた。朝一はロクヨン原色重連の6088レを寝覚ノ床で撮影。新緑の時期は逃したが、初夏の雰囲気の中で狙いのカットを押さえることができた。日中は、更新色の入る8084レをスルーしてロケハン。須原−倉本の糸瀬山Sカーブを裏手から俯瞰するポイントを探り当て、5875レをここで締めることにした。 午後は坂下の大カーブからスタート。81レ、次いで5875レを撮ってから19号を北上する。スジが寝ている列車だけに、普通に走っても糸瀬の逆俯瞰には20分ほど先行して到着した。木々の隙間の立ち位置から、ギリギリ右下に木曽川の川面を入れて構図を練る。だが、17時を回ると、さすがに陽の長い6月でも山影が迫ってきた。遠方に列車が見える頃には、川面は既に影の中。今さら構図は変えられず、もうこのままいくしかない。間もなく眼下にロクヨン重連にエスコートされたタンカーがやって来た。ギリギリセーフ!あの頃でもギリギリだった視界は、もはや利かなくなっているはずである。山影が気にならなくはないが、一期一会のチャンスをものにすることができた。 |
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