撮 影 機 材 紹 介 〜Mamiya645システム〜


Mamiya 645PRO  高校時代、R●誌のグラビアを見る度に中判カメラへの憧れを募らせたものだった。金欠なりに考えて、高校卒業時に中古で2眼のマミヤC330を買った。 しかしシャッター不良頻発で使い物にならずすぐに放出(泣)。やはりマトモなカメラでないといけないと思った若き日の私は、大学入学と時を同じくして一人 暮らし用の家電を買う資金を流用し中古のマミヤM645 1000Sを購入した。お陰で半年間テレビのない生活を余儀なくされたが、当時の私は「カメラは必需品 テレビは贅沢品」と信じて疑わなかったのだった。
 だが、久大や山陰で活躍したこのカメラも数年でフィルム送りに支障が出てきた。スプールがズレているらしく、画面内にフィルム隅の記号や番号が写り込 むのである。結局2000年夏に初代を売り払って改良版の645スーパーを入手。中判2世として君臨し続けた。ところが、67導入後も中判サブ機として俯瞰に 連れ歩いていたこのカメラも寄る年波に勝てなかったか、圧板・巻き上げ系にトラブルが発生して07年に世代交代し、現在の645PRO に至る。
 マミヤはレンズがいい。学生時代のベルビア(+1)との組み合わせで極めたXカットをスキャンすると、67もビックリの高解像度の描写をする。出番は 減ったが、今後も俯瞰では手放せない1台になりそうだ。



Mamiya-SEKOR C 80oF2.8N  我がマミヤの標準レンズは世代交代の度にボディと運命を共にしたため、初代が旧型の70oF2.8、2代目が新型の80oF1.9N、3代目が80oF2.8Nと変遷 してきた。新型と旧型では、外見上はヘリコイドのゴムローレットのデザインが異なるのだが、レンズ構成やコーティングも違うようで、新型の方が明らかに 性能がいい。というわけで、現在のうちのラインナップは全て新型となっている。
 初代の旧型70oは、35判換算45o相当という画角が使い勝手が良かったのだが、とにかく周辺光量落ちが激しく、周辺部の画質も低いので使うのに勇気が要 った。山陰の五十猛の丘でも久大の沈下橋でも、アングルはバッチリだったが常に仕上がりに不安を抱えていた。それに対して次の80oF1.9Nは、画角こそた だの50o相当だが、新型かつ大口径ということで画質は文句なし。ただ中古で微妙に光軸がズレていたのか、左端だけピントが甘い減少が見受けられたため、 ボディの世代交代を機に引退。現行の80oは開放F2.8だが周辺光量にも余裕があり、性能面では文句なし。サイズもコンパクトで、サブ化した645シリーズに はかえってちょうど良かった。
 近年はローカル線が次々と撮影対象外となって活躍の出番は激減してきたが、今後も米坂や只見のイベントではその存在価値を見せて欲しいと思う。
Mamiya-SEKOR C 110oF2.8N  645判の110oは35判換算だと68o相当になる。標準以上中望遠以下という焦点距離はなかなか珍しい。しかも何故か早々と生産中止となった玉で、中古市場 を見渡してもレア度は高め。中判では使えるズームが少ないだけに、この変てこな焦点距離は画角的に1本持っておいて損はないのではないか?そう思って大 学4回生の頃、就活で上京した際に新橋の大庭商会で購入した。
 確かに、中望遠じゃあカツいが標準ではイマイチ…といったとき、このレンズにはずいぶんと助けてもらった。 紀勢の大内山のカーブで貨物をフル編成載せ る時、山陰の田儀で海を広く入れたいときなど、あと一歩の引きが効くのがこのレンズのいいところだった。
 ただ、描写性能はというとどうもいま一つ。昔は気付かなかったが、80o や150oに比べるとエッジの立ち具合に納得がいかないのである。というわけで、現 在は一軍登録から外れて戸棚を温めていることが多い。売り払おうにも、ボディへの取付指標になっている赤い粒が欠損しているため 二束三文にしかならない のは目に見えている。まぁ、とりあえず手元に置いておこうかな…。
Mamiya-SEKOR A 150oF2.8  35判換算93oに相当する中望遠。マミヤ645シリーズの150oにはF3.5と2.8の2種類があるが、最初の交換レンズとして導入したのは予算の都合上 F3.5の方 だった。このレンズはエッジもシャープだし色のりも良かったのだが、いかんせん周辺光量が落ちる。f4くらいでは改善せず、アップ撮りなどで1/1000secのシ ャッターを切るのには思い切りと開き直りが必要であった。
 さすがにこれでは困る場面も増えてきたので、2000年のG.W.を前にして現行のF2.8への交替を図った。これなら同じ150o でもライバルの ペンタックス645 用のMFレンズより半段明るく、コンプレックスも克服できる(笑)。描写は、高性能なAシリーズの一員だけあって別格。ヌケはいいし、ピントもカリカリにシ ャープで周辺光量落ちもない。いや、それどころか、F3.5と同じ感覚で使うとややオーバー気味になる傾向すらある。 従って使いこなしのコツは絞り気味にす ること。他のカメラが1/500sec f5.6チョイのときに、マミヤだけはf6.7まで強気に絞るくらいでちょうどよい。癖さえつかめばもう無敵!コイツのお陰で、 山陰や名鉄谷汲線など大学時代後半の被写体をXに記録することができた。
 67がメイン機材になった現在でも実用度は高く、常に山登り用のザックの中に控えて俯瞰アングルでの出番を待っている。
Mamiya-SEKOR A 200oF2.8APO  大学4回生のときに勇気を出して買った憧れの白レンズ。確か中古でも10万近くした。当時追いかけていた485系の「しらさぎ」「雷鳥」を撮るときに、開放F4の 210oではどうしても周辺光量落ちが気になることから、やや長さは足りないものの大口径のニーニッパがどうしても欲しかったのである。
 結果は大正解。35判でいう135o相当に近い画角でA150oF2.8と同等の描写をしてくれるのが本当に頼もしかった。近江長岡の伊吹バック、余呉のインカーブ、志 賀−蓬莱の琵琶湖バック…ボンネットの終焉はこのレンズ無くして語れなかったといっても過言ではない。
 そんなわけで、このレンズも150o同様、現在でもサブ機としてザックに常駐しており、風景的なアングルで撮るときにはペンタ67と共に主力機材として活躍して いる。 先日ふとしたことで大井川の第一橋梁を大俯瞰した写真を見返す機会があったのだが、豆粒のような電車の窓枠一つ一つがキリリと描き出された解像力は、あ らためて神レンズと唸らされるものであった。
 ついでに、このレンズは性能だけでなく見た目もカッコイイ。美しい白の鏡筒と先端の太い大口径らしいシルエットが高級感満点!ただ、現在の中古場相は4万前後。 価格の暴落に一抹の寂しさを感じなくもない。
Mamiya-SEKOR C 210oF4N  学生時代を通じてちょくちょく機材の入れ替えをしてきたマミヤ645シリーズの中で、今や最も長い付き合いになるのがこの210oである。標準と150oだけでは表現 の幅が狭すぎて中判をメインに据えられないことから、第三のレンズとして大学2回生の春に導入した。中古で3万弱だった気がする。
 何よりの利点は軽量コンパクトであること。35判換算130o だから67でいえば300o弱に当たるが、ペンタ300よりはるかに小さい。歩きもしくはスーパーカブ移動 で荷物の量に限界があった当時の私にはうってつけのレンズだった。 しかしその反面開放値が暗く、1/1000secでシャッターを切ると周辺光量が落ちるという欠点を抱 えてもいた。 俯瞰中心で使う、フィルムを実効感度の高いエクタクロームのE100シリーズにするなどあの手この手を打ってはみたが、結局写真の神様は投資した者 に微笑むのだという結論に至り、上述のニーニッパ購入と相成ったのだった。
 だが、その後も210oは手放してはいない。200oより微妙に10o長いという焦点距離が電柱1本分をかわすのに役立つかもしれない、というのが一つ。もう一つは、 絞り連動爪が欠損してしまい、売っても金になんねぇだろうというのがその理由である。次はどこで使おうかな〜?



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