| 2025.10.24 |
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2021.10.24 小沢駅
NikonD800 AFNikkor180oF2.8ED ISO640 |
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数年前まで、10月下旬の週末は赤沢森林鉄道の撮影会に出掛けていた。上松の山奥にある赤沢自然休養林に残された線路を舞台に、ナローゲージファン垂涎のボールドウィンをはじめ木曽森林鉄道の名車・珍車を走らせ、停めて、撮影するというニッチながらも豪華な内容。クライマックスのボールドウィン夜間撮影会は、絶妙なライティングに発煙サービスもついて、秋の夜長の最高の楽しみであった。これまで蒸気のバルブに関しては幾度か掲載したことがあったので、今回は日中の名車・珍車の走行シーンを出してみようと思う。
一般列車の運行が終わる15時頃から、クラブツーリズム主催の撮影会イベントが幕を開ける。参加者向けフォトランとしていくつかの車両の走行が予告されていたが、その先陣を切ったのが“冷蔵庫”こと酒井製No.5。お世辞にもカッコイイとは言えないが、VWバンを思わせるキモかわいい顔つきが魅力のモーターカーである。天候は晴れに恵まれたが、林鉄ということもあり、季節・時間的に線路はほとんどが木々の影の中。それでも柔らかの木漏れ日で、ハイコントラストのバリ順光を望まなければいい雰囲気である。始まりかけの紅葉をあしらって、正面がちの望遠構図でカメラをセット。間もなく、東欧辺りを思わせる森林の中のか細いレールに、愛嬌のある小さな車体がゆっくりと進んできた。 今年も、つい先週の土日でこのイベントが開催されたとのこと。私も行きたかったが、2学期中間試験の真っただ中で業務が立て込み出撃を諦めた。それにしても、最近は各地で撮影会と称したイベントがずいぶん多くなった。そこだけ見ると鉄活動があちこちで活性化しているようにも思えるが、実際には、それはありのままの現役の鉄道情景にすっかり魅力がなくなったことの裏返しなのではないか。確かにこれから山が錦に染まる季節だが、東北方面にブルトレやキハを追いかけていた頃のようなイマジネーションがどうにも湧かなくなっている。はてさていったいどうしたものか。思案するうち秋は更けていくのである。 |
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