Memorial GALLERY


     2024.06.05

2016.06.05 芦野公園駅
 NikonD800 AF-SNikkor300oF2.8ED ISO640

連休以来思うように撮影が進まないまま雨の季節に入ってしまった。例年ならば6月初旬まではカラッとした晴れに恵まれる日も周期的に来るのだが、今年はそれもサッパリで、こうなったら、この時期らしく雨模様を味方につけるつもりでどこかに出撃するしかないか…と溜まりに溜まったストレスの吐き出し先を模索している今日この頃である。そんな今回は、雨天曇天に翻弄された8年前の津軽鉄道イベントの1枚を出してみよう。この年は6月第1週末に新幹線の奥津軽いまべつ駅の開業記念でDDに旧客とタム・トムが運転されるというビッグイベントがあった。

土曜勤務の私は定時退勤で新幹線に飛び乗り、関西-D.W先輩に拾っていただいて津軽中里の夜間撮影会から参戦。現地は雨模様だったが、バルブでは逆に濡れた地面が艶っぽくて好条件である。それなりの成果を上げて、晴れ予報を出している翌日に全てを賭けた。ところが翌日は、ご宣託に反してしつこく雲が残った。仕方なく、午前の客レは芦野公園駅でスタンバイ。雨天曇天は白空カットが鉄則である。ここなら木々のトンネルで間抜けな余白を埋めることができるだろう。間もなく、豪快なエンジン音を響かせて、見慣れぬ「安東」マークを掲げたDD352がホームに滑り込んできた。

ところでこのマーク、津軽半島西部、日本海に面する十三湊で中世に交易で栄えた安藤(安東)氏に由来すると思われる。安東氏は源頼朝による奥州藤原氏討伐後に北東北で力を持った豪族で、朝廷に代わり蝦夷(えみし)を管轄する蝦夷管領を務めた。『ゴールデンカムイ』で昨今注目を集める北海道のアイヌと和人を繋ぐ交易の舞台がこんなに近くにあるのも面白い。工夫次第では太宰に次ぐ美味しいコンテンツになるのではないか…という気もするが、はてどうだろう。ちなみに、この次のタム・トム1往復も曇られたが、最後の混合列車の返しのみどうにか晴れて頂戴することができた。



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