Memorial GALLERY


    2015.08.29

1999.08.29 土佐穴内−大杉
 Mamiya645 1000S SEKOR210oF4N RVP(+1)

土讃本線の白眉と言える穴内川の渓谷俯瞰。この日は高知まで ヒロ座が入線するということで、先輩鉄ちゃんに連れられて瀬戸大橋を渡ってここまでやって来た。天候はやや雲多めながら晴れベース。山間部なのが心配ではあるが、ここ で撮らずして土讃で撮ったと言うなかれ。一か八かの賭けで三脚を立てることにした。マミヤ645に210o、OM−1に180oの2台をタテ構図でセッティング。深い緑の山腹に 緩いS字を描く線路をピタリと配して準備は万端である。

今だったら立ち位置の山が丸裸にされるのではないかというくらいのパニック必至のネタだが、不思議なことに、同じアングルで構える鉄ちゃんは片手で足りるほどだった。平 和な時代だったものである。猫の目天気の中待つことしばし、雲の切れ間にシンクロするように、朱いDE10重連にエスコートされた真紅のお座敷列車が姿を現した。 カマが 首を振るまで引きつけてシャッターを切る。勝った!!

渓谷を渡る風に誘われるように、その後も幾度かこの場所を訪れた。2002年秋にはキハ181「リバイバル南風」、03年GWには新緑の中を行く定期のキハ58…お気に入りのアン グルには国鉄型がよく映えた。だが、風光明媚な四国の舞台から主役は少しずつ降板していった。土讃線を日中下っていた高知の58・28は、いつの間にかキハ32に置き換えられ ていた。2008年には松山の58・65が落ち、翌年には「ムーンライト」の客車も姿を消した。今や穴内川の川面にエンジン音を響かせるのは、ステンレスの振り子特急か小型の レールバスのみ。さすがにアンパンマンやハリボテ新幹線のために瀬戸大橋を渡るのは現実的ではない。三脚片手の鉄ちゃんお遍路、次は一体いつになるだろう??



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