Memorial GALLERY


   2010.10.21

2007.10.21 田井ノ浜(臨)−木岐
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毎週の如く追っ掛けているうちは気が付かないけれど、ちょっと前のポジファイルを繰ってみると、ここ数年でずいぶんと国鉄型気動車が消えてきたことに驚か される。一昨年まで、四国では秋になると毎年のようにキハ58・65がイベントで看板付きの勇姿を見せていた。私も煽りに乗せられるように、07年の「むろと」 「よしの川」、08年の「阿波」「土佐」とラスト2年は連続して南国に飛んだ。今回のお題は、かつて「新作日記」でも発表した「むろと」の返しのカットである。

チバラギ氏と組んで出撃したこのツアー、現地で関西−D.W・さささ両先輩と合流して行きを辺川の駅先端で極めた。看板付きのキハ65にビリビリとシビれて顔面 アップはもうお腹一杯になった我々は、せっかくの牟岐線だからと海が入るアングルを探ることにした。といっても地図上では海沿いに見えるのに、意外や意外山深 い峠越えが連続し、線路の向こうに渚が広がるポイントは皆無に近かった。唯一可能性があるのが田井ノ浜(臨)の前後。さささ氏持参の写真集には、弧を描く砂 浜を入れたカットが載せられていた。

それらしい場所にアタリをつけて砂利道を登る。作例とは違ったが、駅前の海水浴場の砂浜が見えてきた。ここでいっかぁ〜。列車は後追いになるが、「キハは順光 側が面」という格言もある。何よりキハ65がこちら向きではないか!この日は終日何の心配もないドバリ晴れ。夕刻、渋い光線を浴びるパノラミック・ウィンドウを 文句なしに仕留めることができた。しかし、コイツは翌年秋を最後に引退。入れ替わるように復活した九州のロクゴもまるで撮れないまま今夏で引退。もはやJR線 上にキハ65という車両はいない。 ズラリとならぶ2段窓に両端の折戸…いかにも“急行”らしい風格を漂わす名車を線路際で見る機会は、永遠になくなった。



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