GALLERY06 秋季ネタめぐりツアー 2006 1.東奔西走ネタめぐり 9月編 9月 16 「EF58浪漫奥利根」 17 「EF58浪漫奥利根」 23 「急行奥只見号」「リバイバルくずりゅう」 24 「急行奥只見号」 30 「石勝線開業25周年記念列車」,水郡線12系団臨 10月 1 「石勝線開業25周年記念列車」 7 「錦秋湖号」「只見SLリレー号」「木次線90周年記念号」 8 「秘境駅号」「只見SLリレー号」「木次線90周年記念号」 9 「3鉄祭り・さかり号」「只見SLリレー号」,平成筑豊鉄道キハ58 14 「やまぐち号」無装飾運転? 15 「やまぐち号」無装飾運転?,山陰大サロ,島原鉄道のってのって祭り 21 「あまるべ」 28 「DD51ばんえつ物語号」 29 「DD51ばんえつ物語号」 11月 3 「DD53ばんえつ物語号」「磐西・只見ぐるり一周」 4 「DD53ばんえつ物語号」「磐西・只見ぐるり一周」,山田・岩泉キハ団臨 5 「DD53ばんえつ物語号」「磐西・只見ぐるり一周」 25 「SL D51ばんえつ物語号」「リバイバルうわじま」 26 「SL D51ばんえつ物語号」 夏期後半の激務をどうにか切り抜け、9月初旬の休みに花輪線を訪問した。天気はまずまずで、国鉄色4連の「八幡平」や翌日のA46運用 を撮影。06年秋の陣は順調にスタートを切ったかに見えた。だが、翌週からは例年の如く秋雨前線&台風の波状攻撃で天候はメタメタ。来 春限りでの引退が噂される浪漫と予断を許さぬロクイチとの最後のコラボレーションかと注目を浴びた「EF58浪漫奥利根」は、空を見上げ るまでもなく出撃トケ即決となった。 しかし、家でただ腐っているのももったいない。時刻表を見ると「浪漫奥利根」は上りの上野着が19時19分、しかも着番線は8番。バルブ で良ければ絵にできそうだ。なら行くか!場所が場所でネタがネタ、どんなアブナイ(?)鉄が集結するかわからないので、かなり早い時間 に家を出た。 上野には18時前に着き、停目を目安に早々にゲバ張り。読書に耽るうち、1人また1人と鉄が集まってきた。最終的には20〜30人の集団と なり、狙いのブツを待ち受ける。日もとっぷり暮れた頃、ホームの向こうからオレンジ色の一灯ライトが見えてきた。ロイヤルエンジンが 静かに目の前に滑り込む。我が立ち位置からなら105oでピタリ。走りは無理だったが、こんな形でロクイチを頂戴した。
翌週23日(土)は、前から話題になっていた「リバイバルくずりゅう」の日。富山港線ラストに合わせて再び急行色を纏った475系が、全盛期 のHMを付けて北陸路を快走するとあっては行かないわけにはいくまい。週間予報は発表と同時に次週末の雨を宣言していたが、木曜あた りから急遽好転、前日金曜には気象庁様から石川・福井は降水確率0%、高気圧直下のドバリ晴れとの御宣託が下るに至った。電車の中で携 帯の天気サイトを見ながら心でガッツポーズ!が、仕事が長引いて退勤が遅くなったため、恐らく「能登」は間に合わない。列車で行って 現地でコサカミ氏のお世話になるというお気楽プランは脆くも崩れ去り、後に残されたのは“660tの「能登」”による地獄の500q徹夜ラ ンだけとなった。 関越〜上信越〜北陸道と碓氷峠を越えていた頃の「能登」ルートをなぞるように北上する。糸魚川ICを通過する頃には東の空が白んでき た。親不知の向こうに明けの明星が輝く。眠い目をこすりながらもバリ晴れを確認して気合を注入!金沢を6時半頃に通過し、7時過ぎに はコサカミ氏の待つ牛ノ谷駅に到着した。さて、問題はここから。せっかく看板が付くのだからバリ順で極めたいが、列車は午前中に金沢 から米原、つまり基本東から西へ、午後にその逆で西から東へという行程。正面に光線が回るポイントが非常に限られているのだ。これは 難しい。コサカミ氏が偵察してきたところでは、既に数少ないバリ順ポイント森田−福井の九頭竜川橋梁は黒山の人だかりだとか。ならば 地図的にいけそうな丸岡−芦原温泉の直線はどうだろう。線路は南北に走っており、この時期で9時台の通過なら充分正面に日が当たるは ずである。 現地に行くと、激パというほどではないが、刈り入れの終わった田んぼの中で数人がセッティングを始めていた。背後の踏切の道で横に並 んだ方が足場も安定しているし人数も入れていいと思うのだが、先陣を切った御仁がそこに据えちまったもんは仕方ない。アイレベルだと レール面が見えないので、ハイアングルで2丁据え。それにしても、複線電化の特急街道で85oの線路際カブリツキとはハイリスクな撮影 である。非電化ローカルが主戦場の私にとっては非常に緊張するシチュエーションだ。 定時、モノクラス6連というのがやや寂しいものの、往年のマークも誇らしげに交直流急行色が唸りを上げてカッ飛んで来た。一瞬のチャ ンスを狙いすましてレリーズ!猛烈な風圧が過ぎ去ると、乗り鉄時代に嫌というほど耳にした懐かしい主電動機の音が遠ざかっていった。
返しは、行き以上に撮影地の選定が難しい。上り方とは異なった意匠のマークが付いているそうでこちらもお持ち帰りしたいところだが、 午後早い時間に北東方向向いて走られちゃあ打つ手がない。敢えて挑むなら、一瞬西に頭を振る余呉カーブか。今度こそマジ激パが予想さ れるので、早々に湖北へ向かうことにした。 徹夜爆走で死にそうなため、コサカミ氏のミラAvi・エクスプレスにピックアップしていただき一路北陸道を南下。木ノ本ICから数分で、 かつてボンネット「しらさぎ」狙いで幾度も訪れた踏切に着いた。付近の道路は他府県ナンバーの鉄カーで大混雑。エラい騒ぎになってい るのではと心配になったが、立ち位置を様子見してみるとまだまだ脚を立てる余地はありそうだった。85oで編成バッチリな場所を押さえ、 昼飯を買い出ししてまったりと列車を待つ。行きかうお電車はイモムシ「しらさぎ」・イモムシ「加越」が主役となり、時おりやってくる白 い419系だけがヨンパーゴ在りし日の湖北街道を思い起こさせた。 12時24分、「くずりゅう」木ノ本発。数分で踏切が鳴り、カーブの奥から役者が登場した。貫通扉には溢れんばかりの羽根付き大型HM! さすがに12時台前半では日は回っているとは言いがたいが、面陰りにはならずにきれいな編成写真を極めることができた。しかし…!! 往路 と違って今度は列車速度も遅くバケペンでもガッチリ撮れるはずだったのだが、自分がボケていたのかフィルムが浮いたのか、アホかとい うくらいの前ピンでブローニーは撃沈…。ゆえに、これも手元に残されたのはF5のコマのみとなった(泣)。
本命は仕留めたが、まだ昼過ぎ。ド快晴の今日ならば日没まで色々と遊べそうである。とりあえず我が車を突放してきた丸岡まで引き返し、 アングルを探しながら午後一杯485「雷鳥」や419系などを撮ることにした。 丸岡−芦原温泉の朝のポイントの西側には、一面の蕎麦畑が広がっていた。これぞ初秋の風物詩。背後の山並みもいい感じなので、編成は バッサリ切ってサイド4〜5両、カメラを下に振って白い花弁を強調し、今度こそバケペンで勝負!やっと特急色の風を中判フィルムに焼 き付けることができた。ここ数年、狭い立ち位置に密集してネタを撮るよりも、こうして定期列車を考えながら撮る方が性に合うようにな ってきた。歳か!? いや、経験による成長であることを願いたい。
夕方の「雷鳥34号」はいわゆる尾頭付き、つまり前も後も純粋電気釜の編成である。ならば順光側からバッチリ頂こうではないか。上の蕎 麦畑のアングルは線路近くでカブリついてもまたをかし。ペンタ400&F5望遠ズームの2丁切りでオレンジ光線に染まるヨンパーゴを捉え た…はずだった。だが、ブランクが空いてるとイカンですね、ペンタは切り遅れて面切れ撃沈と相成った。
秋の日は釣瓶落とし、16時を過ぎると見る見る光線が弱くなる。とはいえ、この妖しいオレンジ光線こそがまたオトコの心を揺さぶるのだ。 サイドギラリを狙い、再び蕎麦畑に戻る。エロ光線は影との戦い。天地寸法のあるペンタは165を200に替え、それでも影をかわしきれず撤 収。F5+80-200に全てを託す。焦点距離は、長くなる自分の影をカットするため、80o、85o、90oと徐々に望遠側にシフト。露出もも はや1/1000secは無理で、開き直って1/500secでヤツを待つ。 日没寸前、臨時「雷鳥93号」はやって来た。信号の関係かアングル直前で減速し、ゆっくりとファインダーを通過。これならいける!! モー ドラを全開で回しながら、金色に煌く車体に思わず指先が震えた。
翌日はコサカミ氏とともに大糸線へ。ちょうど収穫時期で、南小谷付近の虫尾の小俯瞰ではさ掛けを撮った。が、昨日に比べて雲が多く、 午後からは完全曇天と化して意気消沈。今回のツアーは尻すぼみな形で幕を閉じた。 さて、次週は北海道で特急色キハ183の「石勝線開業25周年記念列車」が走る。ダイヤ情報誌によると、送り込み回送は新得が13時49分。あ きんど俯瞰隊監督ははやくも狩勝三角山へのアタックを宣言している。しかし、水郡線のDE10+12系も捨てがたい。週間予報が今から楽し みである。
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