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予報エリアの中でまずまずのターゲットとして目を付けたのが富士急の1000系1001F。名車京王5000系の生き残り
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でオリジナルカラーに復元されたこの編成が、団臨に登板するという。高校時代、未熟な機材と腕で大した記録も残
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せなかった西東京の名優を現在の水準で撮り直すなら、どの編成が充当されるかわからない定期運用で運任せの
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撮影をするよりは、こうして予告された機会を狙って仕留めておくのが吉だろう。9年前に“パノラマエクスプレス・ア
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ルプス”を撮りに訪れた時の記憶を頼りに、沿線に向かった。
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富士急は文字通り富士山麓ののどかな里を走る…と思いきや、意外に宅地化が進んでおり、スッキリ編成を抜く
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には苦労する。大月への送り込みはお約束の三つ峠−寿間で迎えることになった。だが、現着したときには美しか
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った背後のクリスマスツリーも時間が経つにつれて雪が落ち、本番と同時に背後の道路に軽トラが並走し、おまけ
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にバカ正直なまでに「回送」マークを掲げられては打つ手なし。往路は完敗に終わった。
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こうなったら返しで勝負! すぐ先のカーブをアウト側から打ち抜こう。時刻はわからないが乗客の団体は11時に
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大月集合となっているらしい。南西方向を向くこのカーブなら充分面に光が回るはずだ。しかし、12時頃には来ると
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思った列車が待てど暮らせどやって来ない。そのうち上空は北から流れ込んだ雪雲に覆われて、粉雪まで舞い始
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める始末。こりゃあ詰んだか…。もはや諦めの境地だが、今帰ったとて20時の「鎌倉殿〜」最終回までは暇を持て
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余してしまう。せっかく三脚も立てたことだし、天候回復に一縷の望みを託して粘ることにした。と、鉄の世界も何が
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起こるかわからないものである。小1時間もすると雪雲が抜けて、辺りは再び日差しに包まれた。間もなく踏切が鳴
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る。程よく順光になったタイミングでかつての名優がファインダーに姿を現した。最後尾が少し切れるくらいの方が、
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現役時代の長編成を髣髴とさせていいのかな?
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