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上り「やまぐち号」の撮影名所が連なる津和野−船平山間において、最もハードルが高いと言えるのがここ、通
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称“白井のアンテナ山”からの俯瞰であろう。 SLの愛好会の方々によって手入れされているとはいえ、急斜面直
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登の1時間コース。 これまで幾多の俯瞰場所に立ってきた経験をもってしても、斜度に関してここまでハードな場
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所はそうそうお目にかかったことはない。それでも眼下にU字を描く二条の鉄路とバックに聳える青野山の端正な
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姿を見れば苦労も一気に吹き飛ぶというものである。
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到着時は雲が多かった空も、集まった猛者たちの願いが通じたか、どんどん青空が広がってゆき、津和野交換
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のキハが通過する頃にはド快晴になった。しかし、本門前劇場の悲劇に代表されるように、夕方の津和野盆地は
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これまで幾多の鉄を泣かせてきた鬼門の地である。この日も本番10分前に背後の山に影が落ちた。頼む、どけ!
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どいてくれ!すかさずboss氏が叫ぶ。「みんな、弱気になるんじゃねぇ!晴れると信じたら晴れるんだ!!」
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一念岩をも動かすという。 通過直前にゆっくりと雲の影は画面から消え、間もなくディーゼルの咆哮が耳に届い
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てきた。カーブを切って眼下の舞台にDD率いる褐色の客レが登場。嵐のようなシャッター音の後に、今度は我々
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の咆哮が山間に木霊したのであった。
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