撮影日記−新作公開−




















































NO. 601
DATE 06.26
601.大井川鐵道E102「ELさくら号」 福用駅先端 
2021.03.24 大井川鐡道 福用駅 NikonD850 AF-SNikkor500oF4VR ISO200
  この春は、大井川鐵道恒例の桜シーズンの臨時列車にEL牽引の客レが登板すると聞いて楽しみにしていた。
 ぶどう色のボディにデッキ付きの旧型電機然としたカマが旧客の先頭に立ち、満開の桜の中を疾駆する姿は、想
 像するだけで垂涎もの。折しも職場は年度替わりで比較的時間に自由が利く。有休も年最低5日は消化せよとお
 達しが来ているし、労働者の権利を行使してありがたく休みを頂戴し、いつもの川根路に車を走らせた。
  ところが、せっかくの被写体もダイヤがよろしくない。往路は家山着が11時過ぎ。基本南北に走る路線でこのスジ
 はアウトである。返しは15時頃に出発するが、ただでさえ撮影地の限られる家山以南では、光線・山影を勘案する
 とそれ程選択肢があるわけではない。通い慣れた路線とはいえ、意外に手強い相手といえそうだ。




















































NO. 601
DATE 06.26
 
  往きは案の定話にならなかった。 桜の咲き具合を見て家山駅手前の鉄橋の顔面撃ちで構えたが、ほぼ真後ろ
 からの光線にカマは真っ黒桜は真っ白。こういうのを好む向きもあるようだが、私の美的センスではとてもXには
 程遠い。やはり本命勝負は返しのみ。 いつもの被写体ズームカーは朝の家山運用でおしまいの日なので、全力
 でロケハンに走る。家山の鉄橋南側、桜並木を走る区間は、激パニックしているうえに道路橋や街灯をかわすの
 が難しい。 花を絡めるなら頑張る価値はありそうだが、まずは1枚カッチリ押さえたい今日撮るべきアングルでは
 なさそうだ。大和田のお茶屋さんの逆アンは山影、五和の桜は開花前…となると、光線重視の福用駅先端で顔面
 撃ちでどうだろう!?SNS上に上がっている写真を見る限り、影落ちすることはないはずだ。
  プロ4に500oとD850を抱えていざ登壇。だいたいイメージ通りだが、バックの道路をどう目立たせないかが腕の
 見せどころか。幸い手持ち鉄ちゃんが隣に1人いるだけで自由度は高い。左右の架線柱を画面両端でカットしつつ
 ベストポジションを探り三脚を立てた。15時過ぎ、追っ掛け組がバタバタやってくる中、遠方の踏切が鳴る。間もな
 く、ファインダーに西日を浴びて誇らしげに「さくら」マークを掲げるシブいカマが現れる。背後の道路に車が並走し
 ないことだけを祈ってシャッターを切った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 





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