撮影日記−新作公開−




















































NO. 600
DATE 06.20
600.大井川鐵道21000系 下泉バルブ 
2021.03.14 大井川鐡道 下泉駅 NikonD850 AFNikkor180oF2.8 ISO200
  大井川鐵道に通う中で、どうしても極まらないのが家山の交換バルブであった。陽の短い時期なら17時半の電車
 が暗くなった家山駅で行き違う。地方私鉄の中核駅然とした佇まいの中に2本の旧型電車が並ぶ情景はなかなか
 に味わい深いのだが、とにかくタイミングが合わない。先に入線する千頭方面行きは、金谷行きの列車がポイント
 を超えると、停車を待たずに動き出す始末。上下どちらかの列車が流れてしまい、きれいな並びを押さえるのは至
 難の業なのであった。
  この日も、上り近鉄が停まる前に下りのズームカーが発車して万事休す。ダメかぁ…と肩を落として帰ろうとした
 ときに閃いた。1月から3月半ばまで、護岸工事のために下泉−千頭間が運休・バス代行になっている。ということ




















































NO. 600
DATE 06.20
 
 は、下って行ったズームカーは下泉駅で返しの時間までバカ停をしているはずである。 家山ですら即発車なのだ
 から、下泉だって普段はバルブする暇もないだろう。それが、今ならじっくり腰を据えて撮れるかもしれない。家山
 の借りは下泉で返すべし!ひと風呂浴びる計画はトケにして、早速国道を北に向かった。
  高度成長期の面影を残すマンションに背後の不釣り合いな野球場…と日中撮るにはあまり適していない下泉駅
 だけに夜景はどんな雰囲気なのか心配はしていたが、現地に着くとそれは杞憂に終わった。背後は全て闇の中。
 列車の顔にはホームの照明が程よく当たり、ズームカー独特の丸顔が立体的に浮かび上がっている。今しか撮れ
 ない光景を悔いなく残そうと、ヘッドライトのお頼みまでして駐車場から、駅舎脇から、ホーム上から…様々な角度
 で春の夜の夢を切り取った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 





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