撮影日記-新作公開-




















































NO. 598
DATE 06.04
598.185系「湘南ライナー11号」 東京バルブ 
2021.03.12 東海道本線 東京駅 NikonD5 AF-SNikkor300㎜F2.8VR ISO800
  愛着のある方々には申し訳ないが、「特急型になりきれなかった半端な特急型電車」とこれまで甘く見ていたツケ
 で、末期になって慌てて通い込むことになった185系。とはいえ、写ってりゃいいレベルの葬式鉄と違い我々の“終
 活”は数シーズン前から始まっている。お蔭様で、沿線のヌシの方々のような洒落たスナップには手が届かなかっ
 たものの、ここぞという撮影地は一通り納得できる条件で押さえたつもりである。そんなわけで、ついに迎えた最終
 日、家でのんびりニュース見る鉄でもよかったが、最後の喧騒を冷やかしに東京駅に出掛けてみることにした。
  Xデーということでメディアや頭のオカシい鉄が集っている危険性も考慮し、三脚なしの軽装で出撃。その代わり
 高感度に強いD5と強力な手振れ補正が自慢のPENFを相棒に現地に乗り込んだ。パニックする様子を撮るなら本
 当の最終よりも人出の見込める21時の列車だろうという目論みは見事に当たり、老若男男(女子はいない)でホー
 ムは大賑わい。かつてのブルトレのラストランを思い出しながら、さてどんな感じで撮ろうかと周囲の様子を窺って
 結局定番編成撮りの立ち位置から人混みを入れて狙うことにした。
  間もなく「湘南ライナー11号」が9番線に滑り込む。カモメの水兵マークのアップ撮りだろうか、列車に近い位置か
 らカメラを向ける人々がズラリと並ぶ。 今日は比較的治安がいいようで、前列は膝立ち、後列はアイレベルと上手
 く雛壇ができ、下劣な罵声も飛んで来ない。そんな“おくりびと”たちを配して、サンニッパ手持ちで1/30sec のシャ
 ッターを切った。さすがに翌日仕事を抱えながら23時台まで立ち会うのはキツイ。次の13号を適当にスナップして
 東京駅を後にする。伝統の長距離ホームから今日一杯で姿を消す国鉄型に、一足早く別れを告げた。





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