撮影日記-新作公開-




















































NO. 565
DATE 09.12
565.キハ40 惣郷橋梁  
2020.08.15 山陰本線 須佐-宇田郷 NikonD850 AF-SNikkor35㎜F1.8 ISO200
  9時台のキハで惣郷橋梁の俯瞰を降り、 10時台を昔「いそかぜ」や50系客レのポイントとして知られていた旧道
 俯瞰で撮影。日中陽の高い時間はスーパーで仕入れた弁当で腹ごしらえをして、エアコン全開の車内で優雅に昼
 寝をして過ごす。勿体ないようだが、光線は固いし外はギラギラの直射日光が降り注ぐ40度近い灼熱地獄である。
 もう若くない我々としては、頑張るだけ体力の無駄。終夜運転の疲れを癒して午後の部に備えた。
  といっても、午後は14時台のキハの後は丸々2時間ほどパッタリ列車がない。ならば、空いた時間に津和野に行
 こう。目的はもちろん観光ではなく「やまぐち号」の返しである。片道30分も走れば撮影地に着く。定番白井のカー
 ブで“新型の旧客”と初対面。C57と組んだ美しい編成美を堪能して、再び宇田郷に舞い戻った。
  小さな川の河口を南北に跨ぐ惣郷橋梁は、午後は海側からが順光になる。夕方5時近いとはいえ、本州西端に
 近いここではまだまだ太陽は高く、日差しは殺意を感じるほどに鋭い。広めのレンズに機材を絞り、勇気を出して
 浜辺に一歩を踏み出した。思えば20年前の夏もこの界隈を彷徨った。スーパーカブに乗ってキハ181「いそかぜ」
 やキハ23を追い、宇田郷の浜辺にもやって来た。あの時もこの浜の突端を目指したんだっけ。若き日の記憶を辿
 りながら、枯山水の如く白い小石が敷き詰められた波打ち際を進む。 突き当りまで進み、かつてそうしたように高
 さを稼ぐため崖によじ登る。狭い足場に三脚を立てた頃には、噴き出した汗が止まらなくなっていた。
  レンズは35㎜で群青色の海原をワイドに入れよう。 鉄板のように熱々の岩の上で人間バーベキューになりなが
 ら待つことしばし、20年前は見ること叶わなかったタラコ色のキハ40が、滑るように舞台に躍り出た。





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