|
|
|
|
|
|
中、かじかむ手で雲台にバズーカー砲を据え付けた。
|
|
と、その時である。想定していた時間よりかなり早く遠方にオレンジの煙が上がる。何だと! これではとてもセッ
|
|
ティングは間に合わない。とりあえずD5に85oを付けて感度と露出は勘頼み、ピントは動体予測にして手持ちで
|
|
列車を追う。これ以上ない火の粉大爆発で単機の建設型は眼下を走り去ってしまった…。一同ほぼ間に合わず、
|
|
ガックリ肩を落とす。どーなってるの?しばらくすると、すぐに王氏が情報をキャッチしてくれた。今日の8195登板を
|
|
知った中国鉄ツアーが独自ルートで現場に“お頼み”をして、通勤前に一往復チャーターをやったらしい。次こそが
|
|
本番であると聞き、再び八二站に下っていく単機を見送りながら心して準備をやり直す。被写体までの距離が遠い
|
|
分、暗い中では構図も極めづらい。とりあえずタテ構図で水平だけ出し、雲台のねじは緩めにして臨機応変にパー
|
|
ンすることにする。ピントは火の粉の明るさでAFが十分効くことが分かった。準備は万端、さぁ来い!
|
|
暗闇から歯切れの良いドラフト音が響いてきた。奥のカーブから長い直線区間に入った辺りでオレンジの煙が大
|
|
噴火、威勢よく火の粉を噴き上げながら機関車が驀進してくる。 火炎は時折右手から吹き降ろす天山颪に流され
|
|
て左側に踊った。ならばカマは右寄せか。ファインダーに機影を捉えつつ、構図を微調整しながらシャッターを切っ
|
|
て切って切りまくる。ひと段落して確認すると、モニターには想像以上のシーンが刻まれていた。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|