撮影日記−新作公開−




















































NO. 548
DATE 03.24
548.哈密三道嶺 建設型 噴火 八二站通過 
2020.01.02 哈密三道嶺 八二−坑口 NikonD5 AFDCNikkor135oF2 ISO16000
  今回のツアーは曜日と飛行機の予約の関係で、例年より短い現地3日半の強行軍だった。なのに初日の元日は
 終日安定の曇天、2日目もご来光こそ拝めたものの日の出1時間半で薄雲が広がり、大して戦果もないまま、気付
 けば前半戦が早くも終わろうとしていた。今回は空振りか…。意気消沈していると、夕方近くなって再び雲が薄くな
 ってきた。明日は晴れるぞ! いや、その前に今日は薄暮で噴火が狙えるぞ!一同色めき立って日没を待った。
  この1〜2年、我々の噴火ヒット率の高さを羨んでか、このツアーのマイクロバスを尾行する連中が増えている。
 しかし、それは我らがガイド王国軍氏が尽力して現場に人脈を広げ、八方手を尽くして機関士の方々に協力を願っ
 ているからこその結果である。何もせずにただ金魚の糞の如くくっついていけば、さも当然のようにド派手な火の粉




















































NO. 548
DATE 03.24
 
 にありつける…と勘違いされるのは王氏としても納得がいかないらしい。このあたりの事情は、国内でチャーターな
 どをやっておられる諸兄にはよくご理解いただけるところだろう。というわけで、今宵は定番の大カーブを避け、八
 二站通過で一発仕込んでもらうことになった。
  日が暮れると同時に崖を下って線路沿いに出る。見事なグラデーションの夕焼け空を背にして、構内のレールが
 茜色に光る。これはこれで列車がいなくても絵になるシーン。高校時代に晩秋の八高線明覚駅で見た光景が脳裏
 に浮かんだ。だが、これから来るのはタラコ色のキハ30ではなく、炎のような爆煙を噴き上げる現役蒸機である。
 中国の辺境に立つ四十路の我に返って、駅の外れのカーブに三脚を立てた。
  立てていきなり1本目の列車が登場。構図も露出も考える間もなく、とりあえず手持ち動体予測でシャッターを切
 る。まぁまだ周囲は明るすぎる状態。これを参考にしてD5は135oタテで噴火を意識したタテ構図、D850は構内の
 輝くレールを意識して85oヨコ構図でセットした。夜の帳が降りてバックの空に僅かな残照が残るばかりになった頃
 遠方からリズミカルなドラフト音が響いてきた。これぞ仕込みをお頼みした本命の列車! 間もなく黒い巨体が構内
 に差し掛かると、煙突から輝く火の粉を噴き上げ始めた。降り注ぐ火花が薄暗い背景に機関車のシルエットを浮か
 び上がらせる。我々は、ファインダーから列車が消え去るまで、狂喜乱舞でシャッターを切り続けた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 





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