撮影日記-新作公開-




















































NO. 536
DATE 12.24
536.SBB Re420 NJ464 セーヴェレン屏風岩バック 
2019.08.16 Chur–Rorschach Bahn Sevelen-Buchs NikonD5 AFDCNikkor135㎜F2 ISO200
  ヴァッセンでの撮影の後は山を越え、南ドイツはアルゴイのオーバーシュタウフェンに移動して投宿。旅の最後は
 昨年の落穂拾いでオーベルストドルフ支線の客レをメインターゲットに、セーヴェレンでの夜行朝練を組み合わせよ
 うと考えていた。ところが、次の日は芳しくない空模様。実際未明に宿を抜け出して朝練現場に立つも、低い雲から
 太陽は出ず、昨年に引き続き草刈り見る鉄で終了した。これでは鉄のしようもない。 昼からは支線のロケハンで時
 間を潰したが、今思えば近くにある白亜の名城、ノイシュヴァンシュタイン城を観に行っておけばよかった…。
  翌日は午後の飛行機で帰途に就く。昨年の経験から朝一までは鉄できると考え、帰り掛けにもう一度朝練を敢行
 することにした。予報は快晴、三度目の正直で今日こそは宿願叶うはずである! 前夜のうちに宿泊費を支払い、
 未明のアルゴイを後にする。目的地セーヴェレンは、スイスとリヒテンシュタインの国境に位置する谷間の小さな街
 である。オーストリアを経由し高速道路を飛ばすこと1時間半弱、山懐の線路際に辿り着く。上空は、予報通り雲一
 つない抜けるような青空、背後の稜線から今まさに朝陽が顔を出そうとしている。一方で、線路の後ろには屏風の
 ような切り立った崖が連なる大山塊。大糸線の信濃木崎も霞んで見える、雄大な山岳鉄道風景である。
  ここでの主役はオーストリア・グラーツからのNJ464とウィーンからのNJ466。日の出前に通過する466は端から
 捨てて464の1本狙い。線路に陽が当たり始めて数分、遠方から赤いカマが近づいてきた。これだ!連写で迎撃し
 Ⅴを確信。だが、手応えに酔いしれ余韻に浸っていると、またも赤いカマが現れた。何と未明に行ったはずの466
 が遅れていたらしい。望外の幸運でここを一発卒業。我々は、足取りも軽くミュンヘン空港に向かったのだった。





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