撮影日記−新作公開−




















































NO. 497
DATE 02.24
496.紅葉といすみ鉄道キハ28 戸越踏切 
2018.12.24 いすみ鉄道 総元−西畑 NikonD5 AFDCNikkor135oF2 ISO200
  前回出撃は、普段と違う視点でファインダーを覗く訓練と、もう一つ、祝日代休で看板無しとなる24日の予行演習
 も兼ねていた。キハ28の狙い処をあれこれ計算して当日を迎えた…はずだった。しかし!沿線は朝から予想外の
 低い雲が垂れ込め、完全な期待外れ。回復に一縷の望みをかけるも、時間と共に雲は厚くなるばかりだった。
  仕方なく沿線を沿線を流していると、線路際に未だ紅葉真っ盛りのケヤキの木を見つけた。葉が緑の時はさして
 目立つこともなかったが、曇天の暗いトーンの中に鮮やかな橙色は浮き立つようによく映える。背後の斜面と太陽
 の位置を考えると、仮に晴れたら終日山影となるポイント。いつもなら「曇りアングル」なる言葉は即却下だが、今
 日の条件なら逆に好都合。戸越踏切脇の神社前に三脚を立てた。




















































NO. 497
DATE 02.24
 
  1本目、上総中野からの返しは、紅葉を多めに入れて135oタテで。電線その他をバッチリ交わして構図をきめ、
 色づく葉にピントを合わせてブラしカットを狙う。1/80sec f7.1でブレ具合・被写界深度は程よく収まるはずである。
 D5の高速連写でキハ28の顔と52との連結面の2カットを押さえた。
  他に移動するアテもなく、次の列車まで2時間余りをここで過ごす。同じ撮り方では芸がないので、今度はキハに
 ピントを合わせて紅葉を前ピンであしらうことに。と、そこへ突然1台のワーゲンがやって来てアングル内に無遠慮
 に駐車。いやいや、停めるんなら気持ち左に停めてくれないかなぁ…。鉄の勝手な要望ではあるが、交渉の余地あ
 りと踏んでドライバー氏のもとへ。と、降りてきた北欧系の男性、仮称マークとでもしておこうか、彼は“Excuse me”
 と勇気を振り絞って声を掛けた私を遮り、「チョット…」と言い残して集落の方に去っていった。まぁ、反応からしてそ
 んなに長居はしまい…と油断したのが間違いだった。待てど暮らせど件のマークは一向に帰ってくる気配がない。
 そしてついに列車通過5分前。泣く泣くレンズを180oに切り替え、車をギリギリかわしてキハを迎えたのであった。
  結局ヤツが戻ってきたのは次の列車が行った後。さすがに黙ってはいられず、車に乗り込もうとしたマークに「ど
 ちらに行かれてたんですか?」と冷静に聞いてみた。と、突然スイッチが入ったマークは、「アナタハ、ココノヒトデス
 カ?ワタシハ、ココノヒトデス。モンクアリマスカ!」と猛烈口撃。オイオイ、品川ナンバーのワーゲンで乗り付けてお
 いて「ココノヒト」なわけないだろう。鉄=絶対悪/地元民=絶対善などという価値観はいつの間に地球を一周した
 のだろうか? 開いた口のふさがらない私を尻目にマークはその場を後にし、私には撮るには撮れたがもう少し頑
 張れたはずの写真が残されたのであった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 





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