|
|
|
|
478.小田急7000系LSE「はこね22号」 開成ストレート
|
|
|
|
2018.07.10 小田急小田原線 開成-栢山 NikonD5 AF-SNikkor50㎜F1.8 ISO200
|
|
原色復活から10年余り、小田急の誇る名車7000系LSEもついに引退が発表された。伝統のロマンスカラーを纏
|
|
った流線型の特急専用車が、高層ビルの林立する副都心から自然豊かな相模野の丘陵地帯を経て、天下の険箱
|
|
根の麓を目指す姿は実に魅力的であった。特に7003Fがオリジナルの姿の戻り2編成揃い踏みとなってからは運
|
|
用が追いやすくなったこともあり、機会あるごとに近場の有力被写体として撮影を続けてきた。 そんな愛すべき被
|
|
写体の定期最終運用は7月10日。平日ではあるが1学期の期末試験の採点期間、無理して有給を突っ込めば休
|
|
めなくもない。行ってみるか!ちょっとばかしマルつけを頑張って、この日は開成-栢山の田園地帯に展開した。
|
|
案の定、現地は平日というのに結構な人出だった。それでも、人気は中望遠相当の立ち位置のようで、サイド寄
|
|
りの場所には隙間がある。せっかくの青い田んぼに青い空、広めのレンズでのびやかに撮りたいものである。足回
|
|
りの柵をかわしつつ通信ケーブルのポールが展望席で隠れるよう、絶妙な高さで三脚を立て50㎜で構図を練った。
|
|
14時を回り、そろそろ小田原を出る時刻。真夏の高い日差しも少しずつ傾き始め、多少は見られるライティングに
|
|
なってきた。間もなく、踏切の音と共に連接車の独特のジョイント音が耳に届く。リズムからして相当飛ばしているの
|
|
は間違いない。緊張してレリーズを握る。惜別の思いを込めたのか、高らかにタイフォンを響かせながら流線型の
|
|
車体が一陣の風となってファインダーを駆け抜けた。オレンジバーミリオンを纏った展望室付き連接車体の特急車
|
|
をロマンスカーと定義するなら、これで正統派ロマンスカーの系譜は終焉を迎えたことになる。鉄道史の一幕に立
|
|
ち会えた喜びと、一抹の寂しさを胸に、私は現場を去った。
|
|
|