撮影日記-新作公開-




















































NO. 454
DATE 03.23
454.哈密三道嶺 建設型 大噴火と満月 選煤場築堤 
2018.01.01 哈密三道嶺 選煤場-坑口 NikonD5 AF-SNikkor85㎜F1.8G ISO3200
  2018年は、元旦からとんでもないものを目の当たりにしてしまった。18時20分、沈む夕日をバックに機関車のシル
 エットを切り取ると、いよいよ砂漠の大地に夜の帳が降りる。ここからが我々オ・ト・ナ♪の時間である。昨年もチャ
 レンジした三道嶺名物、火の粉を吐く建設型の大噴火に今宵再び挑戦する。しかも今日は満月の日。築堤の西側
 に立つと、線路の背後に見事な月が昇ってくる。炎を上げるカマの後ろに真円の望月、こんな神秘的な鉄道写真は
 他にないだろう。めいめい築堤下の好きな場所に陣取り、構図を決めて決定的瞬間を待った。
  すっかり空の色も消え、高度を上げた月が青白い輝きを増してきた頃、選煤場を発車するカマの音が聞こえた。
 何度も空シャッターを切って露出を確かめる。絞り・シャッター速度・そして感度。3つのパラメーターをどう組み合わ
 せるのがベストなのか? 近づくドラフト音に急かされるように脳内回路で高速演算。でき得る限りシャッター速度を
 上げ、でき得る限り感度を下げる。ギリギリの線で弾き出したのが、ISO3200で1/125sec f1.8という数字だった。
  ふと見上げると、築堤の奥にはバック運転で貨車を押し上げる機関車の影。緩いカーブを描きながら構図に差し
 掛かったその時だった。煙突から真っ赤な火柱が吹き上がる。白煙を赤々と照らしながら高く舞い上がった火の粉
 は、大きくアーチを描いて後方にハラハラと舞い落ちる。その姿はまるで夏の夜の打ち上げ花火。 もはや冷静では
 いられず、高速連写でシャッターを切って切って切りまくる。撮影後は放心状態。指先の冷たさで我に返り、モニタ
 ーを確認、そこには“禁断の鉄道情景”が克明に写し出されていた。この撮影は、ガイド王国軍氏の現場における
 御尽力なくしては為し得なかった。宿に戻り、王氏を囲んでの大宴会が開催されたのは言うまでもない。





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