撮影日記−新作公開−




















































NO. 411
DATE 02.20
411.江ノ電300形305F 鎌高前Sカーブ
2016.12.25 江ノ電 鎌倉高校前−腰越 NikonD5 AF-SNikkor300oF2.8ED ISO200
  生活感に溢れる街中から青春ドラマの舞台のような海岸沿いまで、変化に富んだ車窓が魅力の江ノ電。だが、撮
 る側にとってそれは従来の常識が通じないということでもある。 鉄道写真の定石は、鉄道以外の人工物を極力排
 除すること。だからこそ山奥深くに分け入って、線路際のリレーボックスは構図で交わすか車体で隠す。「写真は引
 き算」、それが当たり前だと思って十数年撮り続けてきた。しかし、江ノ電では「写真は足し算」。江ノ島をあしらうた
 めなら渋滞中の道路が写るのも厭わず、狭い路地を行く姿を切り取るなら線路の両側の家並みを余さず入れる。
 なるほど…と思うと同時に、やはり体に刻み込まれた習性なのか、「引き算」構図で車両のアップを撮ってみたくも
 なってきた。そんな視点でロケハンしながら目を付けていたポイントがあった。ベストシーズンは冬場の午後。低い




















































NO. 411
DATE 02.20
 
 西日が顔面をギラギラに照らす頃が狙い目である。
  ネットで情報を探ると、今日は305Fが藤沢方に入っている模様。天気も昼前から急速に良くなってきた。よし、行
 こう!サンニッパをメインに機材を絞って電車で湘南を目指した。クリスマスムード一色の藤沢駅から小型電車の
 客になる。瀟洒な住宅街を過ぎ、江ノ島から併用軌道をソロリソロリと走り、路地裏から大きく左カーブを切ると、右
 手に突如相模湾が広がる。何度来ても心躍る瞬間。目的地の鎌倉高校前はもう間もなくである。
  天地左右がカツい構図のため、今日はデジをメインに勝負する。D5にサンニッパで練習電を数本見送る。背面
 モニターを見ながら数ミリ単位で微調整。これでOK!恐らく次が305Fの番である。遠方に、海沿いを行くクリーム
 と緑のツートンが見えた。程して踏切が鳴る。黄色味を帯びた柔らかい光線を浴びて、湘南のオールドタイマーが
 モーター音も高らかにファインダーに飛び込んで来た。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 





撮影日記トップへ