撮影日記−新作公開−




















































NO. 398
DATE 10.15
398.SBB Re420 InterRegio ヴァッセン下段カーブ
2016.08.15 Gotthard Bahn Goschenen−Erstfeld NikonD5 AFNikkor50oF1.4 ISO200
  お盆の遠征はどうしよう? ブルトレはない、ヨンパーゴはない、オイシいスジの貨物はない…ないない尽くしの2016
 年夏は、いよいよ撮り鉄としての命運も尽きるかに思われた。そんな折、RM誌に載ったアメリカはコロラド州の保存
 SLの記事が目に留まった。 なるほど、海外鉄か。5年前の冬に中国黒竜江省に上游型を追って以来、久しぶりの
 Overseasも悪くない。ここ2年は続けて海外出張もあり、英語1割、笑顔が2割、身振り手振りが7割弱の拙いコミュ
 ニケーションでも何とかなりそうな自信も出てきていた。というわけで海外鉄の大先達、関西-D.W先輩にお伺いを
 立てると、「今行くならゴッタルド!基底トンネルの新線切り替え前ラストシーズンやで〜」という答えが返って来た。
  うーむ、スイスか…。小汚い格好の鉄ちゃん風情が、山と湖に囲まれたあんなオシャレな国に土足で踏み込んで




















































NO. 398
DATE 05.17
 
 いいのだろうか?逡巡しながらも、決断は早い方がいいと、春先にHISで格安航空券を叩いてもらった。スイス・エ
 アーの直行便で往復26万、これは無理。だが、キャセイの香港乗り継ぎだと14万。しかも打ち出された詳細を見る
 と、使用機材にB747の文字!10月で引退が予定されているキャセイジャンボに乗れるなら、それだけでも価値は
 あろう。気づけば夏のスイス行きは既定路線となっていた。
  8月14日、エメラルドグリーンの帯を纏ったジャンボの機上の人となる。窓側の席で沈みゆく夕日を眺めながらの
 機内食は、さながら空の「トワイライトエクスプレス」。深夜の香港でチューリヒ行きに乗り継ぎ、今度はトリプル7で
 飛ぶこと11時間、ようやく山と湖の国スイスの玄関口、チューリヒ国際空港に降り立った。そしてここからはアルファ
 ベットとウムラウトだらけの表示を頼りに、冒険まがいの鉄道の旅。チューリヒHB(中央駅)に出てICN(高速列車)
 〜IR(中距離普通客レ)を乗り継ぎ、エルストフェルト駅からポストバスで撮影地のヴァッセンに入った。都合25時間
 かけての現地入り。早速宿に荷物を預け、機材と三脚をもって定番のアングルに立った。
  有名ポイントだけあって、先客が数名。万国どこでも挨拶は重要だろうと声を掛ける。“Hello!”…すると、返って
 来たのは、「日本の方ですか?」という答えだった。常々日本の津々浦々の僻地で常連さんと遭遇する我々は、日
 本の狭さは重々承知しているはずだった。しかし、世界がこんなに狭かったとは!衝撃を受けたゴッタルド峠での1
 日目であった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 





撮影日記トップへ