撮影日記−新作公開−




















































NO. 369
DATE 01.31
369.DE15 雪362レ 咲来ストレート
2016.01.03 宗谷本線 咲来−天塩川温泉 NikonD800 AFNikkor50oF1.4 ISO320
  数年ぶりの宗谷ラッセル詣でで気づいたことがある。東恵橋はじめドライブスルーのお手軽定番ポイントに行くと
 以前は絶対来るはずのなかったような人々が大集結しているのである。この日も午前中の佐久カーブでは、天塩
 川の前に三途の川を渡るのではないかというお爺集団が直前に手持ちでゾロゾロと現れた。その緊張感の無さと
 言ったら、積雪やウィングの開閉にやきもきしている自分がバカバカしくなってしまうほど。最果ての雪レもずいぶん
 俗化したものだ。オルテガ『大衆の反逆』の描写は、何も1930年代スペインに限ったことではなかったようである。
  天候が劇的に好転する見込みはないため、午後は3日連続の咲来ストレートにやって来た。 昨日までに比べれ
 ば、雪の量は充分。降雪も落ち着いて視界も悪くない。閉鎖中の踏切付近からアップ撮りを狙うチバラギ氏と別れ
 かんじきを装着して雪原にアタック。林を抜けて、線路脇の斜面に陣取った。前日・前々日とアングルをあれこれ試
 して50oで手前まで引きつけるのがベストと判断し、セット完了。通過まで約25分。音威子府交換のキハを見送り
 あとは主役の登場を待つばかり…となるはずだった。ところが、その直後から、穏やかだった天候が急変!一陣の
 風と共に激しい吹雪に襲われる。車から離れた私に逃げ場はない。ただ人間樹氷になって耐えるしかなかった。
  ひとしきり猛威を振るった白魔が去ると、キハによって露わになっていたレールは再びきれいに粉雪でコーティン
 グされていた。これは掻くぞ!舞台は整った。13時50分過ぎ、遠方に4灯のライトが光り、全力で唸るエンジンの音
 が響いてくる。両脇に跳ね飛ばされた雪が煙のようにまとわりついて、ハレー彗星のようになったDEが、猛烈な勢
 いでファインダーに飛び込んで来た。晴れてはいないが、やっとマトモな1枚。とりあえず来た甲斐はあったかな。





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