撮影日記−新作公開−




















































NO. 278
DATE 02.25
278.富士急2000系「フジサン特急2号」 三つ峠カーブ
2013.12.28 富士急行 三つ峠−寿 NikonF5 AF-SNikkor300oF2.8ED RVP50(+1)
  富士急行で撮影するなら三つ峠の富士山バックは外せない。だが、“パノアル”そのものを撮るなら違う撮り方もし
 てみたかった。というのも、3連で運転されている「フジサン特急」は下り方が非展望、編成写真で撮ると尻切れトン
 ボ感が非常に目立つのである。現役時代を彷彿とさせる1枚を狙おうと思えば、やはりバリ順でアウトカーブのタテ
 顔面しかない。そう思い立ったら善は急げ。仕事納めの翌日、再び未明の中央道を大月に向かった。
  前夜の雨は、この辺りでは雪になっていたらしい。大月で高速を降りると、家々の屋根はうっすらと白く染められ
 ていた。富士急の前に四方津の鉄橋俯瞰もいけるか?と色気を出して国道20号を戻ってみる。でも残念、標高が
 下がるにつれて周囲はいつしかただの冬枯れに変わり、脳内妄想はもろくも崩れ去ったのであった。結局地道に




















































NO. 278
DATE 02.25
 
 やれということか。早々に三つ峠のカーブに到着し、まったり構えることにした。
  目を付けておいたのは、前回の富士山バックから数百メートル大月寄りのカーブ。外側から300oクラスでブチ抜
 けば3両目はきれいにフレームアウト、方角的にも東に頭を振ることから、正面まで日が回るはずである。 前走り
 の205系崩れの通勤電車でフレーミングを確認していざ本番! 踏切が鳴り、車輪を軋ませながら精悍な顔つきの
 展望車がゆっくりとファインダーに現れた。
  ところで、この“パノアル”が登場した1980年代末というのは、日本の工業デザイン史における白眉の時代だった
 のではないかと思う。鉄道車両でいえば、これと同系統のスタイルを持つ「オランダ村特急」キハ183-1000や新潟
 支社の“シルフィード”、カメラでいえばキヤノンT90、自動車業界では日産のS13シルビアやR32スカイラインが思
 い浮かぶ。とにかくあの頃のメカはカッコよかった。 バブル景気で金が溢れていた時代だったから…と言ってしま
 えば身も蓋もないけれど、翻って昨今の貧弱デザインの列車や車が行き来する様を見るにつけ、 自分の幼少の
 頃にあらためて憧憬を抱いてしまう今日この頃である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 





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