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定、背景以外にはコントラストの付かぬまま、小豆色のクモヤが転がるように山を下りて行った。
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こうなると必然的に返しが本命の一本勝負。庭坂10分停で即折り返しなので、線路際の立ち位置には俄かに三
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脚のジャングルジムが組まれ、皆臨戦態勢に入る。ピントを合わせているとレール面に朝日が射し込んだ。よしよ
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し。バラストにうっすら浮かぶビームの影をかわして切り位置を決定。で、アングルはタテ?ヨコ?正直どちらも捨て
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がたい。咄嗟の判断で、正方形に近い67はタテ、デジはヨコで雲台に固定する。と、もう大築堤にはクモヤが姿を
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現していた。ただし、進む速度は歩くようにゆっくり。路面に蒸気を吹き付けながら、一歩一歩踏みしめるように急
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勾配を登って来る。朝日を浴びて光る車体に思わず絞りを僅かに絞り、板谷の古武士を迎え撃った。
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久しぶりの日の出直後の撮影で、さすがに露出に一抹の不安を覚えた。その場でモニタリングできるデジは外さ
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ないが、いかんせんフィルムは…。1週間後、ラボから上がったベルビアには、ローキーのトーンの中に渋く光るク
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モヤの勇姿があった。
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