撮影日記−新作公開−




















































NO. 132
DATE 01.22
132.樺南森林鉄路 除雪列車 樺南の直線区間
2010.12.28 樺南森林鉄路 樺南−下樺 NikonD700 AF-SNikkor70-200oF2.8VRU ISO200
  現地入りして3日目、この日は待ちに待った運転再開の日。と言っても貨物ではなく、地吹雪で埋まった線路を掘
 り起こすための人員輸送列車、いわゆる除雪列車である。何事も人海戦術で乗り切るお国柄だけあって、彼の地に
 ラッセルやロータリーといったものは存在しない。あるのはただ人的労働力のみ。そんな労働者たちを現地へと送
 り込むのが、カマ次位にレールバス、最後尾に緩急車を付けたこの珍編成なのである。
  機務段で汽笛も高らかに入換えを行って“混合列車”を組成したC2型は、小さな車体からは想像できないような
 ドラフト音を響かせてゆっくりと走りだした。 我々もタクシーで追っ掛けを開始。それにしても積雪が酷い。降雪量と
 いうよりは、風で舞い上がった粉雪が線路のいたるところに吹き溜まりを作っているようだ。これでは作業はあまり




















































NO. 132
DATE 01.22
 
 進まないのではないか…。案の定、5qも走らないうちに停車中の列車を発見。スコップを持った労働者たちが雪
 を黙々と掻いている。まずはスナップからである。氷点下22度、全てが凍てつく現場に我々もカメラを手にして降り
 立った。ところが、1時間も作業しないうちに人々は撤収。列車は白煙をたなびかせながら後退を始めた。作業員
 の昼休みらしい。って全然仕事してへんやんけ!10時21分、あっけにとられたまま午前の部は終了した。
  再び列車が帰って来たのは13時半。今度は労働者が降りてくるシーンから撮影再開である。雪をすくい上げて線
 路脇に放る作業、背後で蒸気を上げながら待っているC2、労働者の移動に合わせてぶら下がり取材の如くシャッ
 ターを切る。だが、500mほど除雪した頃だっただろうか、切り開かれた鉄路を列車が静々と進んできて停車。親方
 と思しきおっちゃんの指示の下、彼らは一斉にレールバスと緩急車に乗り込み始める。もしや…。嫌な予感は当た
 った。キリがないから今日の作業はこれで終了とのこと。作業時間僅か30分。これは実に衝撃的であった…。さら
 にその夜、ガイドの王氏の情報収集によると、今年はもう雪が多すぎて運行の目途が立たないため 2月末まで林
 鉄は運休、作業員や鉄道関係者にも待機が言い渡されたそうである。何でも今年は既に炭鉱の採炭ノルマを達成
 してしまい、気合いで運行させる必要性もないのだとか。いや〜、中国ってスゴイ!
  翌朝、雪が小康状態になり道路が開通したのを受けて、我々は200qほど離れた鶏西へと転戦したのだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 





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