Memorial GALLERY


 2026.06.30

2019.06.30 大平台−上大平台(信) NikonD5 AF-SNikkor70-200oF2.8E FL ISO12800

長年走り続けた“山のヌシ”に終焉の時が近づいてきた。箱根登山鉄道の最長老モハ1形・2形が2028年1月をもって運行を終了するという。幼少期より好きな車両で、家族で箱根旅行といえばオレンジバーミリオンのロマンスカーとシル・ヘッダー付きの登山電車で行くものだと刷り込まれてきた。だが、ロマンスカーにNSE・LSEはすでになく、モハ1形・2形も更新を重ねてきたとはいえ車齢100年ともなれば、寄る年波には敵わないわけである。

この年はデジタルへの本格移行も進み、三道嶺で闇鉄にも慣れたことから、箱根登山の紫陽花ライトアップにチャレンジした。時期的には最後の吊掛車103・107編成の引退が迫る頃で、小雨が降る中、沿線は登山電車にしてはそこそこの人出だった。日中はしっとり雨模様で梅雨らしい写真を狙い、人々が帰り支度を始めた日没後からが本命となる。18時20分から紫陽花を照らす照明に灯が入る。薄暮に浮かび上がる紫の花々が艶っぽい。ところが、今日の主役103・107編成は夕刻に山を下りて行ったっきり登って来なかった。ならばもう1本の三色団子104・106・108編成に狙いを絞ろうか。

薄暮の時間に降りてきた104を完全闇夜で撮るなら次の強羅行きか。雨脚が強くなり周囲の鉄ちゃんがみな引き上げた後も、トトロのごとく傘をさしてひたすら列車を待ち続ける。19時30分、ようやく待望の電車が大平台の駅に入って来た。ポイントの切り替わる音が響くと、レールを軋ませながら見慣れた箱根の顔がゆっくりと勾配に挑んでいく。後姿が照明に照らされた瞬間にシャッターを切った。紫陽花アングルの定番だった大平台の踏切もこの3月で閉鎖された。今後旧型のお別れで多くの人が訪れるのだろうが、一番メジャーだった撮影地がなくなり、ポイント探しに苦労しそうである。



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