2024.07.22 |
2012.07.22 鹿渡−鯉川 NikonF5 AF-INikkor500oF4ED RVP100
|
学生時代は夏休み・冬休み・春休みと遠征できる時期が限られていた上に資金も乏しかったため、1回1回のツアーが貴重で非常に印象に残っていた。機材もカメラ1台こっきりで、フィルムの残数を気にしながら常に“負けられない戦い”を強いられていたから、撮った時の印象も鮮烈である。ところが、社会人になり自分で車を持つようになると、長期休みに限らず休みの度に天気さえよければ狂ったように出撃を繰り返すようになってしまった。しかも経験値だけは積んでしまったものだから、どこに行くのもリベンジ案件。もはや趣味のお出掛けというよりややこしい商談をまとめに行く出張のようである。
というわけで、ときには撮ったことさえすっかり覚えていない写真というのも出て来る。今回のカットもそんな忘れられていた1枚である。12年前、非常勤講師から常勤になり正規教員と同じサイクルで働き始めた最初の夏休み、7月下旬から北東北が梅雨明け10日のバリ晴れフィーバーに恵まれ、「あけぼの」狙いで秋田エリアに乗り込んだ。この日は琴丘森岳ICオーバークロスで撮影。ペンタ400とD800で押さえた定番200o構図は外付けHDDに保存してあった。だが、記憶を辿ると35判のポジで500oを構えたような気がしなくもない。さて、成果はどこへ行ったのやら…。 で、探して出てきたのがこのカット。普通に編成を撮るときに500oのヨコ位置は天地がカツくなりがちだが、この角度なら程よい圧縮感。微妙な線路のアップダウンもあって良い雰囲気ではないか。ただ、面が陰り気味なのがやや残念。ここまで見返してハッとした。そうそう、北を向いて走る区間ゆえ仕方がないとはいえ面に陽が回らなくなりつつあるのを見て、夏至からはや1ヵ月、夏休みに入ったばかりというのに確実に日の出の方角が南に振りつつあるのだなぁと、シャッターを切りながら少し悲しい気持ちになったのを思い出した。 |
Memorial GALLERYへ |