Memorial GALLERY


    2024.02.19

2011.02.19 上条−夜間瀬
 PENTAX67 smcPENTAX300oF4ED RVP50(+1)

昨年末、小田急ロマンスカーVSEの完全引退が話題になった。サイドビューの美しさは目を引くものの正面の無表情なイモムシ顔が好みではなく、結局手元に残ったのはLSEのついでで撮った写真ばかり。それでもあまり悔いは残らなかった。だが、よく考えると後継のGSEは普通のボギー車体で、前面展望付きの連接車体という伝統的ロマンスカーらしさを引き継いだ車両はついに消え去ってしまった…と思っていた。

ところが、よく考えると信州の里に“本物のロマンスカー”は生きていた。ハイデッカー構造が災いし、本家小田急ではLSEよりも早く引退を余儀なくされた10000系HiSEが長野電鉄に譲渡され、特急「ゆけむり」として活躍を続けているのである。従来のロマンスカーに比べるとのっぺり顔だが、それでも自動車でいえばR32スカイラインやS13シルビア、Z20ソアラなど日本の工業デザインが最も優れていた時期の車両だけあってなかなかにカッコイイ。編成は4両と短くなったとはいえ、ほぼ原形原色を留めているのはありがたい限りである。

この時は、りんご特急2000系がいよいよ退役を間近に控えていた頃で、休みごとに上信越道を駆け上っていた。メインの被写体の合間に来るのは元営団日比谷線の3000系とこのHiSE。信州の雪景色の中で撮るには手応えは充分だった。振り返ればあれから干支も一回り以上、りんご特急引退後はもう長電に来ることはないと思っていたが、ターゲットの枯渇著しい昨今、しな鉄で115系でも撮った後に立ち寄ってみるのも悪くないかも知れない。



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