Memorial GALLERY


     2023.12.06

2009.12.06 田野口−下泉
 NikonF4s AF-INikkor500oF4ED RVP100

一口に冬といっても、年末年始を挟んでガラリと雰囲気が変わる気がする。年を越すと寒さも一層厳しくなり、連日の冷たく乾いた風に吹かれて木々はすっかり冬枯れ色。 新たな年を迎えて気も引き締まり、凛とした空気は漂うけれど、澄んだ青空以外はどうにも風景的には食えない季節になる。 一方で、12月はまだ木々に若干の色付いた葉が残り、1年で最も低い光線が周囲を柔らかく包み込む。 クリスマスが近づき、これから休みに入る高揚感が独特の雰囲気を醸し出すのかもしれない。写真としては絶対にこちらの方が絵にしやすい。

温暖な駿河川根路の大井川鐵道は、12月に入ってからもまだまだ紅葉が楽しめる。勤務校は2学期の授業も終わって一段落。 期末テストを翌週からに控えた生徒諸君には悪いが、この週末はのんびり晩秋の景色を求めて沿線に出掛けることにした。 当時はまだズームカーの丸看板は復活しておらず、まるでアテのない鉄ツアーだったが、 誰も狙っていなかった関西私鉄のオールドヒーローたちをマイペースで撮ろうと車を走らせた。

午前中を第一橋梁のスーパー俯瞰で過ごし、午後遅くは蒸機撮影のサイトで調べた田野口の俯瞰にやって来た。 急斜面に広がる茶畑のすぐ脇までジムニーで乗り付け、ハスキーをセット。 上流のダム開発により「越すに越されぬ…」の面影はもはやないが、広々とした河原を持つ大井川の雄大な風景にしばし溜息をついた。 F5にサンニッパの組み合わせに加え、プロ4も立ててF4にゴーヨンを付けて構図を整える。500oだと反逆光に煌めく線路際の紅葉が際立ちそうだ。 しばらくすると、モーター音を響かせながら元京阪のテレビカー3000系がやって来た。



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