Memorial GALLERY


 2023.11.03

2006.11.03 山都−喜多方 PENTAX67 smcPENTAX300oF4ED RVP(+1)

今から17年前の秋、鉄ちゃんの熱き視線が磐越西線に集まっていた。あの除雪用モンスター機DD53が「ばんえつ物語号」に登板する! そんな話を聞いて黙っていられる鉄がいたら、それは“モグリ”に違いない。そう断言できるほど注目のネタだった。 熱心な仲間の多くは、マーク無しの勇姿を撮るため、休みを突っ込んで平日の試運転から現地に籠るご執心ぶり。 さすがに当時フリーの予備校講師でおイタをやらかすと次年度の契約にかかわる私は試運転は諦めたが、 それでも週末の本運転を仕留めるべく、☆氏御一行と紅葉が本番を迎えた阿賀野川沿いに展開したのだった。

「ばん物」スジは昼前後に津川以西のいいところを走るため、往路は光線・アングル的にイマイチこれといったところがない。 往きは鹿瀬の鉄橋俯瞰でとりあえず1発だけ押さえて、これまたオール原色キハ52・52・58・28という贅沢な編成の「磐西・只見ぐるり一周号」に転戦。 DD53は返しに全てを賭けることにした。季節的に日照限界は山都の鉄橋がギリギリというところ。 定番の鉄橋斜め後ろからのギラリも捨てがたいが、編成を1枚も押さえないままイメージカットに走る勇気もなく、喜多方−山都の慶徳峠を右往左往。 峠の下り込みで多数の人だかりができている斜面を見つけ、そこに潜り込むことにした。

今振り返ると、ここが震災時のDD重連燃料輸送で定番ポイントとなった川吉のSカーブだったのだが、当時はそんなことは知る由もない。 とにかく足場の悪い急斜面に取り付いて、ハスキーを無理矢理斜めに立ててペンタ300o1丁をやっとの思いで構える。 だが、そんな我々を嘲笑うかのように釣瓶落としの秋の日は容赦なく勢いを弱め、露出はもう限界寸前。1/500sec開放f4で後はなるようになれ!と開き直る。 間もなく、スポットライトを浴びるように本日の主役が登場。夢中でシャッターを切り終えてファインダーから目を離すと、程なくアングルは山影に沈んだのだった。



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