Memorial GALLERY


    2023.08.10

2007.08.10 日頃市−長安寺
 PENTAX67 smcPENTAX300oF4ED RVP50(+1)

16年前の夏は東北にいた。どこもかしこもステンレス製の量産型車両が幅を利かせる令和の世と違い、当時は岩手まで北上すれば、そこは盛岡国鉄色キハの桃源郷。 夏だ!鉄だ!盛岡だ!とみちのくに足が向くのは自然な流れだった。 とはいえ、キハ52・58は3月には既に花輪線から撤退し、残る山田・岩泉線もキハ110への置き換えが発表されて終焉までのカウントダウンに入っていた。 そんな中、釜石線にキハ52原色×2の団臨が入るという。狙いは当然上有住の大俯瞰!前日に立ち位置を下見し、その足で岩手開発鉄道にやって来た。

1日十数往復の石灰輸送列車が行き来するこの鉄道、その道の達人によると俯瞰ポイントが結構あるらしいのだが、 如何せん斜面直登ルートのような場所にビジターの人間がいきなりアタックするのは敷居が高い。 一度作例を頼りに山中を彷徨ったが、思ったように視界は開けず断念した。こうなると、単調ではあるが線路際かぶりつきで攻めざるを得ない。 しかし、定番第一川内踏切で思わぬ収穫。築堤下に見頃を迎えた向日葵が咲き揃っているではないか! ちょうど日中の陽の高い時間帯。普通に撮っても仕方ないと割り切り、ペンタ300mmタテで花と機関車を切り取った。

聞くところによると、つい先日、岩手開発にも新型機関車の投入が始まったという。デザイン的にはJRでいうDE10後継機のような無機質な形態で、 もはや機関車というより単なる機械である。東北太平洋側最後の聖地と思われたこの鉄道にも、ついに世代交代の波が押し寄せてきたということだろうか。



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