Memorial GALLERY


 2023.06.30

2019.06.30 大平台−上大平台(信) NikonD800 AF-SNikkor70-200oF2.8E FL ISO6400

先日朝の天気予報で、2019年の6月は東京で連続降雨日数の記録を更新したと言っていた。 喉元を過ぎてしまえば熱さも忘れるもので、今振り返ると2019年は津軽鉄道の客レを桜満開の芦野公園で撮ったり、 田んぼに水が入った頃の八郎潟でED75「津軽」を俯瞰したり、ツートンに復活したいすみのキハ52を青空の下で出迎えたり…と悪いイメージはないのだが、 こうしてデータを突きつけられるとよく発狂しなかったものだと感心してしまう。

感心ついでに過去画像のフォルダを開いてみると、その理由が分かった。 6月下旬からの雨また雨のシーズンは、サンナナこと箱根登山最後の吊掛車103・107のコンビを撮りに、紫陽花咲く大平台を足繁く訪問していた。 普段はバリ晴れ全開光線を大前提とし、一点の曇りも良しとしないスタンスを貫いているが、紫陽花シーズンだけは話が別。 薄紫の花を愛でるには晴れ以外、できればしっとり小雨模様がベストである。週末毎の雨天こそ上等だと意気込んで、傘を差しながら列車を待っていたのだった。

1年で一番遅い夕暮れが山を包む。といっても雨に煙る山中はドラマチックなエロ光線とは無縁で、徐々に露出が低下してくるのみ。 刻々と感度を上げて対応するうち、ついにISOは6400になった。と、山の中腹から吊掛駆動の重低音が響いてくる。次か! あらためて露出を確認してファインダーを覗く。間もなく、ヘッドライトの光芒に雨粒を浮かび上がらせながら、引退間際の古武士が急勾配を下ってきた。



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