Memorial GALLERY


 2023.03.29

2018.03.29 西畑−総元 NikonD5 AFNikkor180oF2.8ED ISO200

いつの頃からだろうか、桜の開花時期がここ数年で明らかに早くなってきた。90年代末から2000年代初頭にかけて名鉄谷汲線に通っていた頃は4月半ばが見頃だった。 2000年代中頃から2010年代前半に小湊やいすみを追っていたときには4月10前後がピークだった。地域こそ違えど、太平洋岸のやや山間に入った地域では4月前半が勝負という感覚でいた。 ところが、2020年代に入るともはや桜は年度末の季語になってしまったかのように、3月末には満開を迎えるようになった。 終業式とともに仕事が落ち着き、4月1日から突如多忙になる我が業界としてはありがたくもあるのだが、一方でこれも温暖化の影響かと考えると不安がよぎらないでもない。

さて、例年春は猫も杓子も鉄も非鉄も老若男女有象無象の大集合で無秩序な大パニックに陥る週末のいすみ鉄道。 しかし、この年は平日にキハの試運転を行うとの報が当時の鳥塚社長のブログでこそっと告知された。これなら人出も少なく思うようなカットを撮りやすいのではないか? しかも月末にして沿線の桜はもう満開!晴れ予報にも期待して出撃した。案の定、沿線は落ち着いた雰囲気で何より。昼のスジを撮るべく正安寺のストレートに三脚を立てた。

例年であれば両脇の桜並木とともに切通しの斜面が一面黄色に染まるほどに菜の花も咲き乱れるこのポイントだが、連作障害のためか今年はサッパリだった。 それでも、桜のトンネルは見事の一言。木漏れ日の当たる一瞬を狙ってシャッターを切るため、高速連写のD5に180oで本命構図をセットした。しばらくすると西畑発車の警笛が鳴る。 やがて春色の回廊にキハ28が登場。四季の彩には本当にこの顔、この色が良く似合う。



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