Memorial GALLERY


     2022.07.29

1995.07.29 青森駅
 OLYMPUSOM−1 ZUIKO35-70oF3.5-4 RD100(+1)

夏休み期間に入ったということで、魅力的な被写体は数あれど腕が未熟で行動範囲も限られていた高校時代のカットから1枚出してみようと思う。 高校2年の夏、前年に引き続き周遊券で北海道を目指した。当時撮影のためだけに2週間北海道に籠るという酔狂な仲間はおらず、 前年に乗り鉄の同行者を振り回して迷惑を掛けた後悔から、腹を括って単独行を決意した。腹さえ括ればフットワークは軽く、変態的行動もお手の物。 振り返ればこのツアーは夜行or駅寝を駆使して0泊14日の超強行軍となったのであった。

出発は7月末。お盆には家族で帰省することになっているため、旅程を逆算するとそうならざるを得ない。大人の視点では時期尚早の感も拭えないが、 季節感覚というものが鈍かった高校生は、終業式さえ終われば季節は夏真っ盛りで青空に入道雲の日が続くと信じ込み、 意気揚々と上野駅から583系の「はくつる81号」青森行きに乗り込んだのだった。 ワイド周遊券は、出発地から周遊エリアまでの往復に急行までは使えるが、特急及び寝台は別料金。 それでも幼少時からの憧れゴッパーサンに乗るために今回は奮発してB寝台下段を奢った。 カーテンを開け、ネオンサインが車窓を流れるのをうっとりと眺める。 今ならアルコールに手が伸びるところだが、純粋な未成年は自然に瞼が閉じるまでみちのくへの闇路を見つめ続けた。

翌朝、青森は曇り空。期待を込めた脳内予報では夏空が広がているはずだったが、冷静に考えれば7月はまだまだ梅雨末期。 下旬にもなれば関東一円くらいまでは梅雨明け宣言も出されるが、北東北〜北海道はちょうど前線の真下くらいである。 それに津軽海峡〜噴火湾エリアは夏は霧雲の名(迷)所で、そう簡単に晴れるわけがない。ただ、この朝は薄曇りが却って好都合だった。 跨線橋から見ると、私が乗ってきた「はくつる」の隣には奇しくも盛岡行きの「はつかり」が停車中。 583系の並びという夢の競演を、ホーム屋根の影落ち無し、全方位順光で記録することができた。



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