Memorial GALLERY


     2021.12.27

2019.12.27 青部駅
 NikonD5 AF-SNikkor300oF2.8VR ISO200

冬といえば雪景色!だが、銀世界になるということはそれだけ雪の降る日が多いわけで、悪天候に悩まされるリスクも大きい。 かといって晴天優先で太平洋側をうろつくと風景は全て枯れ模様。やるなら景色は極力カットして、低い光線を活かしたアップ撮りがメインになる。 ところがどっこい、昨今車両自体をガッツリ撮りたいと思えるオイシイ被写体がすっかりなくなってしまった。国鉄型、中でも編成で撮り応えのあった特急型・急行型は全滅。 キハ40などの一般型も悪くはないが、ローカル線が似合う車両だけに、顔だけパンパンで撮るのはイマイチ面白みに欠ける。 こうなれば頼みの綱は、都落ちした名車を生き永らえさせている地方私鉄しかない。この年はEL牽引の「かわね路号」と絡めてよく大井川鐵道に通った。

陽の短い時期ならではのポイントが、下り二番電車の青部進入。 影に沈む山を背に、トンネルを抜けてきた列車が朝日に照らされて浮かび上がる。 車両だけに徹した写真を撮るならバッチリの場所である。未明に島田金谷ICを降り、運用の確認もしないままここに滑り込んで三脚を立てた。 レンズは300o、動体予測と連写で勝負である。ズームカーよ来い!願を掛けながら待つこと10分余り、トンネルから腰位置の2灯ライトが見えてきた。

「東急かよ!」銀色マスクが日の光を浴びた瞬間ガッカリである。最もハズレのくじを引いてしまった。一応シャッターだけ切って恨めしく列車を見送ったのだった。 が…モニター画像をよくよく見ると、赤帯が消されて登場時の顔になった7200系、なかなかのイケメンではないか! ダイヤモンドカットと呼ばれたゲンコツ顔にステンレスの輝きが渋さを加える。 日常目にする味気ないステンレス電車には全く興味がわかないが、コイツ(とEF81 300)だけは別格だと感じた。年輪というものの重みを侮ってはいけないようである。



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