Memorial GALLERY


 2021.08.19

2018.08.19 Oberstaufen−Rothenbach NikonD850 AFDCNikkor135oF2 ISO200

コロナ禍で国外に出られなくなって久しい。ならば国内で頑張るか…と思いきや、無能な政府の無為無策、いや、オリンピックなど余計なことだけはやるから、 もはやわざとやっているとしか思えない「感染拡大最優先」による医療崩壊と異例の長雨で、この夏休みは完全自宅軟禁状態。 ひたすらポジのデジタイズに勤しみ、すっかり過去の写真を見返す休暇となった。

まさかこんな未来がやって来るとは露も知らなかった2年前の今頃は、ドイツでアルゴイ地方の迂回ECを撮っていた。 DD54スタイルの箱型DLが重連で優等客レの先頭に立ち、緑豊かな丘陵地帯に伸びる複線非電化の鉄路を1日3往復。この日は18時過ぎのEC192を牧場からの俯瞰で狙った。 1台は300oで奥のS字を強調し、もう1台は135oで手前にいかにもドイツらしい家々を配して構図を決める。通過20分前から帯状の雲に太陽が突入した。 あぁ今日はもう閉店か…。見る鉄覚悟で諦めつつも待っていると、通過直前に雲の下から再び陽が射し始めた。よし来い!今来い! 念ずるまでもなく、林の影から甲高いディーゼルエンジンの音が響いてきた。

予定では2020年に本線の電化工事が完成し、ECの迂回運転は終了するとのことだった。だが、このパンデミックである。 渡航は断念しつつも、ロックダウンなどの影響で工事が遅れる可能性に期待した。しかし、風の噂では無情にも電化は計画通りに完成。 それどころか、合間を縫って走っていたローカル客レ“ALEX”も廃止され、もはやアルゴイ地方で撮れるのは、オーバーシュタウフェン支線に入る1往復のICのみとなってしまったようである。 まだ撮れていないアングルがあった、次はこう撮りたいポイントがあった…でも後悔先に立たず。今となっては、あの時行っておいて良かったと前向きに自分を納得させるしかない。



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