2021.06.10 |
2018.06.10 国吉駅 NikonD800 AF-SNikkor70-200oF2.8VRU ISO200
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露出も稼げないそぼ降る雨の中、自分もカメラも濡れながら列車を待つのは非常に辛い。
特にフィルム時代には露出は死活問題で、ベルビア増感のISO100を常用していた私には、“ブラし・流し”か“停”しか表現手段は存在しなかった。
デジが普及して福音だったのは、こうした悪条件下での撮影意欲が高まったことである。
といっても晴れを望むシチュエーションでわざわざ雨乞いをするわけではないけれど、
梅雨時の紫陽花ようなしっとり感が必要なモチーフには、しっとりした条件を積極的に期待するようになったのは間違いない。
実はこの構図、以前ツートン時代のほたる臨で1回押さえていた。程よく薄暗くなった夕刻、小雨模様の中に佇むキハが非常に良い雰囲気だった。 ならば今度はタラコで極めてやろうと、梅雨入り最初の週末に房総山中へと車を走らせた。国吉駅は、花と絡めるなら下りホームがいい塩梅。 D800に70-200oの組み合わせで、傘を差しながら15時台の上総中野行きを待つ。間もなく、構内踏切の音と共に朱色の気動車がゆっくりと滑り込んできた。 遮断機が上がると、静かな駅にはしとしとと地を打つ雨音とDMHのカランカランというアイドリング音だけが響く。花ピン?キハピン?迷ったときは両方である。 今回は花ピンのカットを載せてみた。 5年ぶりにツートンが復活したものの、スジがどんどん削減されていい光線の時間に走らなくなり、最近すっかり疎遠になっているいすみのキハ。 だが、雨天曇天なら、人呼んで「全方位順光」である。この週末あたりから関東はしばらく天気が良くないらしい。 職務多忙で時間が取れるかは微妙だが、可能ならば紫陽花の風景を切り取りに行くのも悪くない。 |
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