Memorial GALLERY


 2021.05.08

2011.05.08 市島−黒井 PENTAX67 smcPENATX165oF2.8 RVP50(+1)

今から10年前、震災の年のゴールデンウィークは、曇天と黄砂にやられて天候に恵まれず、類を見ないほどの大ハズレとなった。 この春の改正で日根野から転属した原色の381系が充当されるようになった「こうのとり」を狙いに勇んで終夜運転で乗り込んだものの、 ついにペンタのレンズキャップを一度も外すことなく丹波の地から撤退を余儀なくされたのであった。だが、皮肉なことに連休明け最初の週末は晴れ予報。 土曜は弱気に出撃を見合わせたが、野球中継で見たグリーンスタジアム神戸(当時)のバックには、見事な青空が広がっているではないか! 居ても立ってもいられなくなり、そのまま愛車ジムニーに機材を詰め込み東名を西下したのだった。

ところが、翌朝の川代渓谷俯瞰は霧の中。狙いのアングルはまたもお預けとなり不満が高まる。10時台の黒井−石生からようやく全開露出で勝負ができるようになった。 高気圧直下の晴れ予報の下では、霧さえ消えれば安定の空模様。心配ご無用の好条件のまま、午後は水入れ直後の水田も美しい黒井−市島のストレートに三脚を立てた。

当時の「こうのとり」は、従来通りの485系改造の183系と「くろしお」の新型置換えで流れてきた381系が併用されていた。 西側が開けたこの撮影地では両者ともに一網打尽に仕留めることができる。お目当ての381系が登板する16号と20号はヨコ構図の編成撮りで手堅く頂戴した。 183系の18号は500oタテ構図で攻めてみた。いずれも連休後とはいえ増結6連でもうお腹一杯。だが、5月の長い午後はまだ機材をしまうことを許してくれなかった。 次の22号も陽がもちそうである。最後の1枚と腹を括り、ペンタ165oの広めの構図で踏切が鳴るのを待つ。程よい斜光線の中、特急色がモーター音も高らかにファインダーに登場。 明智光秀ではないが、苦労の末にようやく丹波平定に成功したのであった。



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