Memorial GALLERY
2020.09.06
2009.09.06 南今庄−敦賀 NikonF5 AF-SNikkor300oF2.8ED×1.4 RVP100
北陸本線から原形電気釜の「雷鳥」が消えてから11年が経つ。2009年の秋は、体力にものを言わせ、週末毎に終夜運転で北陸ツアーを繰り返していた。 このときはLIBERTY氏と収穫期の大糸線狙いで出発したはずが、天気と運用に誘き出されるように金沢・福井エリアまで展開することになった。初日は 芦原温泉の緩やかなS字をペンタ400で仕留めて、その場に集合した身内一同で焼き肉パーティ。翌日は南今庄の北陸トンネル飛び出しにやって来た。
特に際立った山バックや俯瞰などのハイライトがない敦賀−金沢間。必然的に「雷鳥」は線路際かぶりつきの編成写真が多くなってしまいがちで、土 地柄を活かした絵を残すのが難しい。その中で貴重な“ご当地アングル”が北陸トンネルの飛び出しである。だが、巷間出回る写真の多くが、手前の 短いトンネル内に3灯ライトと「雷鳥」マークが浮かび上がるシルエット系のカットだった。違う、何かが違う…。せっかくの原型原色のヨンパーゴ を影絵にしてしまうことに違和感を覚える私は、やるなら2つのトンネルの間で面に陽が回る一瞬をとらえるべきだろうと思っていた。
しかし、言うは易く行うは難し。トンネルとトンネルの間の僅かな区間に陽が射し込むのは夏場の午前中のみ。やるなら初秋というより晩夏に近い今 日しかないだろう。サンニッパにテレコンを噛まし、動体予測で被写体を待つ。間もなく南今庄の通過案内が流れる中、モーター音も高らかに電気釜 がファインダーに飛び込んできた。今やすっかりサンダーバードの道となり、最近は681系目当てでこの界隈を訪れる鉄ちゃんもいるという。北陸新幹 線の延伸が近づくと、この辺りも再び多くのファンで賑わうことになるのだろう。
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