Memorial GALLERY


 2020.06.11

2018.06.10 西大原−上総東 NikonD800 AF-SNikkor70-200oF2.8VRU ISO800

コロナ禍に伴う休校が明けて急激に仕事が忙しくなり、1日遅れでのMemorial Gallery 更新である。さて、6月といえば雨の季節。普段バリ晴れ下での撮影を最上 とする我々としてはついつい出掛けるのが億劫になり、家でゴロゴロ寝て曜日が増える季節でもある。だが、僅かの晴れ間を突いて狙うべきブルトレももはや無く、 正攻法で攻める被写体が底をついた昨今、変化球で攻めるネタとして紫陽花に目が向くようになった。

花と鉄道という組み合わせは鉄ちゃん界ではオーソドックスなものであるが、大抵は青空を背に燦々と光線が降り注いでいないと写欲が湧かないものである。ところが、 紫陽花だけは違う。梅雨の象徴たる青や紫の花弁には、カラリと晴れた明るい天気ではなく、しっとりとした小雨の情景がよく似合う。カメラを1ヵ月あまり眠らせて おくのも勿体ない。ここは一つ近場のいすみで紫陽花アングルを拾ってみようではないか。狙い通りのぐずついた空模様の日曜日、昼前からのんびり沿線に車を走らせた。

里山を行く風景を俯瞰できる西大原−上総東間だが、ミクロの視点で線路際をつぶさに見ると、紫陽花が群生しているポイントがあった。にわかに風雨が強まる中、D 5やD850を最前線に投入するのは怖れ多くて、D800を矢面に立たせてハスキーに括りつける。モチーフ強調の花ピンで構図を決め、必死の形相で列車を待った。間も なく踏切が鳴り、こんな雨でもいつもと変わらずのんびりとキハが現れる。エンジン音を響かせながら去りゆく列車の後ろ姿をモニターで確認すると、花と列車だけで はなく、無数の雨粒までもが写真に写り込んでいた。



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