Memorial GALLERY
2020.04.23
2019.04.23 会津柳津－郷戸 NikonＤ850 AFNikkor180㎜F2.8ED ISO200
去年の今頃は桜を求めて只見線に出掛けていた。純粋にキハだけを狙いに奥会津の地を目指すのは何年ぶりになるだろう。社会人１年目､久しぶりに関東に復帰した 頃は、新緑時期を狙って週末毎に252号を往来した。淡い芽吹きに彩られた山河の中をのんびり走る２両編成のキハ40に、手にしたばかりのバケペンでシャッターを 切った。数年後、●ヤ情誌の裏面広告に載った宮下ダムの桜の写真に触発されて、今度は花道を行くキハを撮ろうと会津を訪問。その時に会津柳津の月光寺裏の鉄橋 で夕方の列車を撮った。
今回は、朝一番で郷戸の桜をやってから会津柳津に転戦。 圓藏寺の前のストレートで枝垂桜をバックに１枚仕留めてから月光寺裏にやって来た。読み通り、沿線はど こも満開、この鉄橋の左右も見事なまでの咲きぶりを見せていた。以前に比べると列車の本数は減少し､次の会津若松行きが行った後は午後まで列車が来ることはな い。これが最初で最後の貴重なチャンス。 木の影が抜けている２ヵ所に目を付け、奥をＤ850＋180㎜、手前をＤ５＋135㎜で切ることにして被写体を待った。 ９時半、 鶯のさえずりの合間を縫って、遠方からエンジン音が聞こえてきた。16年前に来たときは、サイド順光にこだわって夕方の列車をイン側から見上げたが、この時間も 反逆光の花びらが谷間の陰に浮かび上がって、実に良いコントラストを見せてくれた。
あれから１年経たないうちに、2020年３月改正で只見線から東北地域色のキハ40系列は姿を消した。ロケーションは抜群ながら、各地に国鉄色が復活するにつれてい つしか撮影の優先順位は下がり、 たまの訪問は新津の原色編成で運転される「ぐるり」や「新緑号」「紅葉号」などのイベントの時ばかりになってしまっていた。 熱心に会津通いをされた猛者も多数おられる中、私のようなビジターが後悔しても仕方がないが、もう少し撮っておきたかった口惜しさは拭えない。数年後、被災し た運休区間が復活して全線再開というめでたい日がやって来るのだろうが、よほどのことがない限り、主役の消えた奥会津に足を運ぶ機会はもうないだろう。
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