Memorial GALLERY
2019.09.19
2018.09.19 釜ヶ淵−下段 NikonD850 AF-SNikkor85oF1.8G ISO200
桜前線・紅葉前線と同じく、稲刈りの時期も地域によって早い・遅いにずいぶんと違いがある。いや、むしろ緯度や標高である程度規則性のある桜や紅葉と違い、植えている 品種や親戚一同の帰省時期など不規則な要素が複雑に絡み合う稲刈りの方が時期を当てるのが難しい。それでも我々は長年の経験と蓄積したデータからだいたいの傾向は把握 しているつもりである。首都圏市場を見据えて早場米を生産している房総半島は4月上旬に水を張ってお盆前後には早々に収穫秋田・青森など北東北エリアは水が温む5月下 旬に植えて刈り入れは9月下旬から10月上旬、九州は気温が高いせいか田植えが遅い割に収穫は他と同じ10月上旬…などなど。 田園風景を入れ込んだ写真では田んぼの表情 が絵の成否を決めるため、「田んぼの終わりは1年の終わり」。時機を逸することは許されないのである。
では、北陸の金色田んぼはいつくらいの時期だっただろう。8年前の富山地鉄デキツアーが9月11日で、ちょうど稲穂が見事に首を垂れていた。だとするとそろそろか!9月 中旬の文化祭の後、代休のこの日は富山に車を走らせた。午前中は氷見線の雨晴海岸でタラコキハを撮り、午後から地鉄に転戦する。意外に家並みの途切れない沿線はスッキ リした撮影地を探すのに苦労するが、沢中山界隈をロケハンすると、いい具合に田園地帯の勾配を駆け上がって来るストレートを発見した。バックにチラリと日本海の水平線 も見える好ポイント。バックの家がきれいに隠れる立ち位置を探し、東急以外全ての電車にシャッターを切った。
先日、地鉄では旧型10026ラストランのイベントが行われたという。いつまでも不変と思われていた立山・黒部山麓を行く白とグレーのローカル電車たちにも世代交替の波は 間違いなく押し寄せているようである。時おりやって来る都落ちした東急8090系の姿を見て、世の無常をそこはかとなく感じた秋の1日であった。
Memorial GALLERYへ