Memorial GALLERY


 2019.02.11

2006.02.11 伊豆稲取−今井浜海岸 PENTAX67 smcPENTAX165oF2.8 RVP(+1)

ここ数年、緑ストライプが完全復活した「踊り子」の名舞台として人気となっている伊豆稲取の俯瞰も、13年前の冬は実に平和であった。この年は、早咲きの桜として 有名な河津桜見物の多客臨に田町の183系の登板が予告されていた。田町所属編成ということは、特急マークなしののっぺらぼうだが、それは仕方ない。「サロンエクス プレス・踊り子」以来の一級撮影地で国鉄色の特急型が撮れるのならば十分出撃の価値はあるだろう。他に目立った被写体はないけれど、この一発だけを目当てに135号 線を南下した。

初めて行く場所のため、時間に余裕を持って“らしい”場所に到着。だが、立ち位置への道筋がよくわからない。地図と鉄ちゃんの勘を駆使して彷徨うこと約20分、よう やく林を抜けた先に崖の突端に通じる獣道を発見した。無事三脚を立てるも先客はなし。ペンタとF4をセットし終わった頃、ようやく数名のギャラリーがやって来た。 何かにつけてやれ3段脚立だハスキー5段だと騒がしい昨今に比べ、何と長閑だったことか。間もなく眼下に特急色6連が登場。往年の「あまぎ」を思わせる勇姿に夢中 でシャッターを切った。

今だったら返しは迷わず川奈の鉄橋で頂くところだが、どういうわけか復路の写真は手元に残っていない。スジが悪くて日没後だったのか、午後から曇って諦めたのか、 もはや埋もれた記憶を掘り起こすことは叶わない。まぁ、これが撮れたから良しとしよう。ただ、自分で自分に注文を付けるならこの一点。1両目が架線柱から抜けてな いんだよなぁ…。なぜ左端の架線柱をチラリと入れてでも先頭をもう少し引っ張らなかったのか。久しぶりに見直してみると、詰めの甘さが感じられなくもない1枚である。



Memorial GALLERYへ