Memorial GALLERY


 2018.12.17

2004.12.17 滑河−久住 PENTAX67 smcPENTAX300oF4ED RVP(+1)

各地をクリームと赤の国鉄型特急が走り回っていたのも今は昔。平成も末期に至り、あずさ色やらあさま色の189系にワカモノたちが狂喜乱舞する時代になった。 2灯ライトでおでこが少々寂しいものの、伝統のカラーリングを纏った定期特急が地元千葉を走り回っていた頃が懐かしい。社会人3年目の冬は、家から100km圏 内で183系の房総特急を追い掛けていた。「さざなみ」「わかしお」「しおさい」「あやめ」と特急列車は数あれど、一番のお気に入りは6連と短いながら原型仕 様の編成が限定で登板する「あやめ」と「しおさい5・12号」。特に日中いい時間に銚子まで往復する「しおさい」は狙いやすい被写体であった。

一方で、朝夜限定の「あやめ」は実に与しにくい相手だった。最大5往復あったという全盛期はとうに過ぎ去り、撮影チャンスは朝方上りの2本のみ。しかも朝に 西に向かうということは、基本太陽を背負って走ることになる。せっかくの美しい花を描いたマークの絵柄をきれいに写し止めるにはそれなりに工夫が必要だった。 地図上で線路を追っていくと、滑河駅を出たところで列車は大きく左にカーブを切って南に向く。やるならこの区間、しかもなるべく太陽が南から昇る冬場がいい。 そんな計算をして、冬至間近の日曜に滑河−久住のオーバークロスに三脚を立てた。

8時45分、遠方から臙脂とクリームの6両編成がゆっくりと近づいてきた。低い光線を浴びて切り位置のストレートに進入してくる。お馴染みの特急顔はA面・B 面の2/3当たり、マークにも「あやめ」の「あや」までは陽が回っている。よし、計算通り!こういうところが近場鉄ならではのこだわりの一つである。初冬の 課題を一つこなすことができた。



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